事適う
物事が思いどおりになる。何不自由なく満足している。「いみじく徳あるが妻になりて、よろづ—・ひてぞありける」〈宇治拾遺・四〉
事がな笛吹かん
《事が起こったら笛を吹いてはやしたてようの意から》何か事件が起こればそれに乗じようと待ち構えていることをいう。「さなきだにも—と思ひける北面の下﨟 (げらふ) 共」〈盛衰記・一八〉
事が延びれば尾鰭が付く
物事は、長引くと余計なことが付け加わり、面倒になる。
事加う
さらに大げさにする。「禄ども、品々につけて例あること、限りあれど、また—・へ、二なくせさせ給へり」〈源・行幸〉
事ここに至る
ある状況に至って、どうにも変更しようのない事態になる。事ここに及ぶ。「—・ってはすべてを話すしかない」
事志と違う
物事がうまくいかず、現実が意図したものや理想と食い違う。「—・って政治家になれなかった」
事去る
事が過ぎ去る。過去のものになる。「時移り—・り、楽しび、悲しび行きかひて」〈徒然・二五〉
事しもあれ
事もあろうに。よりによって。「—、威儀の親王 (みこ) をさへせさせ給へりしよ」〈大鏡・師輔〉
事ぞともなし
取り立てて言うほどのこともない。何ということもない。「秋の夜も名のみなりけり逢 (あ) ふといへば—・く明けぬるものを」〈古今・恋三〉
事と次第による
結果や対処の仕方が、事柄やなりゆきにかかわる。「—・っては今日は帰れない」