航空自衛隊のミサイル基地建設をめぐる行政訴訟。自衛隊の違憲性が問われた裁判。昭和44年(1969)、北海道夕張郡長沼町にナイキJ地対空ミサイルの発射基地を設置するため、農林大臣が建設予定地の保安林指定を解除。地元住民が国を相手取り、指定解除処分の停止・取り消しを求める訴訟を起こした。住民側は、自衛隊は違憲であり、基地建設は公益上の理由に該当せず、保安林の指定解除処分は違法と主張。第一審判決は原告の訴えを認め、自衛隊は違憲との判断を示し、注目された。しかし、第二審では自衛隊問題を統治行為として司法判断を避け、原告の請求を棄却。最高裁も違憲審査権の行使を控え、原告の上告を棄却した。長沼ナイキ事件。長沼ナイキ基地訴訟。