1 生きものの体の中に宿って、心の働きをつかさどると考えられるもの。古来、肉体を離れても存在し、不滅のものと信じられてきた。霊魂。たま。「―が抜けたようになる」「仏作って―入れず」
2 心の活力。精神。気力。「仕事に―を打ち込む」
3 それなしではそのものがありえないくらい大事なもの。「刀は武士の―、鏡は女の―」
4 (多く「…だましい」の形で)そのもののもつ固有の精神。また、気構え。「大和 (やまと) ―」「負けじ―」
5 思慮。分別。
「いみじう―おはすとぞ世人に思はれ給へりし」〈大鏡・道隆〉
6 素質。天分。才気。
「筆とる道と、碁うつこととぞ、あやしう―のほど見ゆるを」〈源・絵合〉
7 《武士の魂とされるところから》刀。
「わが夫 (つま) のこの―、婿引出 (ひきで) に」〈浄・彦山権現〉