[1978〜 ]小説家。大阪の生まれ。会社勤務のかたわら執筆活動を続け、「ポトスライムの舟」で芥川賞受賞。他に「君は永遠にそいつらより若い」「ミュージック・ブレス・ユー!!」など。
出典:gooニュース
自由への靴下 津村記久子
気が付いたらヒーターの前で部屋着のままじっとしている。部屋の中で主に自分がいる場所が、エアコンの風が来にくい所なので手軽なヒーターにスイッチを入れてしまうのだが、そっちは少し離れるとすぐに寒くなる。なのでずっと前でうずくまっているのだが、「うずくまる」以外に行動の選択肢のない、不自由な時間だ。他のことをしようと思うなら、装備を整えなければならない。 冬は部屋着の上にいろいろなものを
調理の自由 津村記久子
基本的には、あるものを作れるようになる、創作ができることは自由になることだと思っている。子供の頃からそうだった。紙のきせかえ人形の服がもう少し欲しいなあと思ったら自分で作ったりしたし、もうちょっと自分好みの話が欲しいと思ったら自分で書いたし、もっと読みたいのに話が終わったのなら、やはり自分で続きを書いた。もちろんクオリティは低いし、思い通りにはならないのだが、べつに自分自身のやることだし、なにより
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