1. 仏語。自己の心の内で真理を悟ること。内面的な悟り。

  1. 表向きにせず、内々にしておくこと。外部には隠しておくこと。また、そういう意向内密。ないしょ。

    1. 「—にてのお掛合いも愈 (いよいよ) 手切と相成り候間」〈芥川・糸女覚え書〉

    2. 商売元手をとらすべしと、この—を両方へ聞かせしに」〈浮・桜陰比事・五〉
  1. 表向きでないところ。奥の間。特に、勝手、台所。また、そのやりくり。内々の経済状態。家の暮らし向き。ないしょ。「—は火の車だ」

    1. 「—より内儀声を立てて」〈浮・諸国ばなし・一〉

  1. 遊女屋の、主人のいる所。また、主人。ないしょ。

    1. 「—の千臆 (ちおく) さんへ…伝言をたのまれやしたから」〈魯文安愚楽鍋

  1. 内輪事情。内々のようす。内情

    1. 「扇風かたへ参りて—を吹き込みければ」〈浮・禁短気・一〉

  1. 他人の妻を敬っていう語。内室

    1. 塩冶が—顔世の頼み」〈浄・忠臣蔵

  1. 内輪の者。みうち。親族。

    1. 世間、—ともに心を付けぬるかはゆさに」〈浮・一代男・六〉

出典:青空文庫

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