出典:青空文庫
・・・当なる形式はいわゆるエッセーまた随筆の類であろうと思われる。 ・・・ 寺田寅彦「科学と文学」
・・・日常的に論じた彼の『エッセー』の中には、時に大げさな体系的哲学以上の・・・ 西田幾多郎「フランス哲学についての感想」
出典:gooニュース
<朝晴れエッセー>サイレン
畑で草取りをしているとサイレンが鳴って11時半を知らせている。数秒遅れて隣の村、その村の名はなくなっても、村のあった知らせのようにかすかな音が続く。住宅進出と過疎が隣り合い、耕作放棄地が広がれば、野良で働きサイレンの音を聞く人はどれほどいるだろう。音の性質では用のないものには音はあっても聞こえない、あるいは煩(うるさ)ければ騒音の一つぐらいに聞く人の方が多いだろう。それでも、お昼
<ビブリオエッセー>昭和の名作味わう幸せ 「青い壺」有吉佐和子(文春文庫)
650字程度で住所、氏名、年齢と電話番号を明記し、〒556-8661 産経新聞「ビブリオエッセー」事務局まで。メールはbiblio@sankei.co.jp。題材となる本は流通している書籍に限り、絵本や漫画も含みます。採用の方のみ連絡、原稿は返却しません。二重投稿はお断りします。
<朝晴れエッセー>若いバナナ
私が小学校低学年の頃のこと。初夏の陽気に誘われて、父はオートバイの荷台に私を乗せ、隣町のお祭りに連れていってくれた。お寺の境内には、多くの屋台や植木、さらには見世物(みせもの)小屋まで立っていた。帰り際、人だかりを見つけて立ち寄ると、そこではバナナのたたき売りをやっていた。初めてみる一房丸ごとのバナナと「立て板に水」の口上に、子供ながら引き込まれていった。当初の値段は徐々に下がっていき
もっと調べる