あゆついしょう【阿諛追従】
気に入られようとして、おもねりへつらうこと。▽「阿諛」はおもねりへつらう意。「追従」はこびへつらうこと。また、その言葉。おべっか。
あんしんりつめい【安心立命】
心を安らかにして身を天命にまかせ、どんなときにも動揺しないこと。人力のすべてを尽くして身を天命にまかせ、いかなるときも他のものに心を動かさないこと。▽初め儒学の語であった。仏教語では「あんじんりゅうめい」「あんじんりゅうみょう」と読む。「心」は「身」とも書く。また「立命安心りつめいあんしん」ともいう。
いいきのき【異域之鬼】
外国にいて、祖国に帰れずに死ぬこと。また、その魂。▽「異域」は外国、「鬼」は死者の魂の意。本来は他国に魂がとどまり、遺骸いがいも祖国に帰れないことを指した。
いおういぎょう【易往易行】
往生が容易で、そのための修行も容易であること。念仏の道をいう。また、浄土門のこと。行いやすい平易な修行で、極楽往生できるという教え。▽「往」は極楽往生すること。「行」は修行すること。浄土宗の他力本願の教え。阿弥陀如来あみだにょらいにすがって、「南無阿弥陀仏なむあみだぶつ」と唱えれば、極楽往生できると説くもの。
いかんせいじ【衣冠盛事】
名門の家に生まれて功績をあげ、その家の盛んな名声を引き継ぐこと。また、その者。▽「衣冠」は衣服とかんむりの意から、立派な家柄・名門をいう。「盛事」は立派な事業、また、盛大な事柄の意。
いかんそくたい【衣冠束帯】
天皇以下、公家くげの正装。昔の貴族や高級官僚の正装。▽「衣冠」「束帯」はともに貴族の装束。「束帯」は衣を束ね、整える帯の意。転じて、朝廷での公事・儀式などでの正装。「衣冠」は束帯に次ぐもので、その略装。
いこくじょうちょ【異国情緒】
いかにも外国らしい風物がかもしだす、わが国のものとは異なる雰囲気や趣。エキゾチシズム。▽「情緒」は「じょうしょ」とも読み、その周囲をとりまく雰囲気や気分。また、ある場所や物に接したときに受ける、しみじみとした情趣や雰囲気。
いだてんばしり【韋駄天走】
足の非常に速い人。また、その走りぶり。
いちごいちえ【一期一会】
一生に一度だけの機会。生涯に一度限りであること。生涯に一回しかないと考えて、そのことに専念する意。もと茶道の心得を表した語で、どの茶会でも一生に一度のものと心得て、主客ともに誠意を尽くすべきことをいう。▽千利休の弟子宗二の『山上宗二記やまのうえそうじき』に「一期に一度の会」とあるのによる。「一期」は仏教語で、人が生まれてから死ぬまでの間の意。
いちごんほうおん【一言芳恩】
ちょっと声をかけてもらったことを忘れずに感謝すること。また、一声を賜った恩に感じてその人を主人と仰ぐこと。▽「芳恩」は人から受けた親切や恩義の敬称。ご恩・おかげの意。「言」は「げん」とも読む。