たいしょうかやく【対症下薬】
病状に応じて薬を処方すること。問題点を確認したうえで、有効な解決方法を講ずることのたとえ。▽「対症」は病気の種々の症状に応ずる意。「下薬」は薬を与えること。「症しょうに対たいして薬くすりを下くだす」と訓読する。
たいしょちゃくぼく【大処着墨】
大事なところから墨をつける意。絵や文章を書くに当たって、まず最も大事なところを押さえてから筆をおろすこと。最も大切なポイントを押さえて物事を行うたとえ。▽「大処たいしょより墨すみを着つく」と訓読する。
たいどうふき【大道不器】
聖人の行う大いなる道は、限られた物しか盛ることのできない器とは異なり、広く大きな作用を発揮することができるものであるということ。▽「大道」は聖人が踏み行う大いなる道の意。「器」は器物・道具で、ある用途・作用しかもたないもののたとえ。「大道たいどうは器きならず」と訓読する。
たいみひったん【大味必淡】
本当においしい食べ物は味が淡白であることから、淡白なものこそ真にすぐれており、好まれるものだということ。濃厚な味は一時的に好まれても長続きはせず、淡白な味はいつまでも好まれるという意。▽「大味」はすぐれたよい味の意。「淡」はうすい、あっさりしている意。「大味たいみ、必かならず淡あわし」と訓読する。
たいよくひどう【大欲非道】
たいへん欲が深く、道理にはずれて非人情なさま。▽「大欲」は大きな望み・欲望。また、非常に欲の深いこと。「非道」は人としての道にはずれていること。人情のないこと。「大」は「だい」とも読む。「欲」は「慾」とも書く。
たかねのはな【高嶺之花】
高い峰に咲く花のように、遠くから眺めるばかりで、手にすることのできないものや人。手が出ないほど高価な品やうっとりと見つめるばかりで近づきがたい美女など。
たじたたん【多事多端】
仕事が多くてたいへん忙しいさま。▽「多事」はするべき仕事が多いこと。「端」は物事の始めの意で、「多端」は仕事が多く忙しいさまをいう。
だいしいちばん【大死一番】
一度死んだつもりになって奮起すること。死ぬ覚悟で何かをしてみること。▽「おのれを捨て、欲を去り、迷いを断って、仏の道に精進する」という仏教語から。「大」は「たい」とも読む。
だいどうしょうい【大同小異】
だいたいは同じだが、細かい点に違いのあること。似たりよったり。大差のないこと。▽「大同」はだいたい同じであること。「小異」はごくわずかな違いの意。
だそうきょうだ【打草驚蛇】
草をたたいてその奥にいる蛇を驚かす意から、あるものを懲らしめることによって、他のものに警告するたとえ。後に、よけいなことをして、かえってつまらない災難を受けるたとえ。無用のことをしてかえって相手に警戒心を起こさせてしまうたとえ。▽「打草」は草をたたく、「驚蛇」は蛇を驚かす意。一般に「草くさを打うって蛇へびを驚おどろかす」と訓読を用いる。