たいきしょうよう【大器小用】
大きな器を小さなことに用いるということから、大人物につまらない仕事をさせること。すぐれた才能の持ち主でありながら、低い地位にしか用いられないこと。人材の用い方が当を得ていないことのたとえ。▽「大器」は大きな器量。また、偉大な人物のこと。
たいきばんせい【大器晩成】
大きな器は完成するまでに時間がかかることから、真に偉大な人物も大成するのが遅いということ。大人物は遅れて頭角を現すということ。才能がありながら不遇である人に対する慰めの言葉としても用いる。▽「大器」は偉大な器量をもつ人。「晩成」は多くの時間を費やして成就すること。
たいぎめっしん【大義滅親】
君主や国家に報いるためには、親子の情をもかえりみないということ。
たいざんふくん【泰山府君】
中国の泰山の神。道教で人の寿命・福禄ふくろくをつかさどる神とされる。仏教と習合し十王の一人に数えられ、閻魔えんま王の太子とも、その書記ともいう。▽「府君」はここでは神の名。日本では素戔鳴尊すさのおのみことと同一視されて、陰陽家おんみょうかでまつられる。「泰」は「太」とも書く。「府」は「ぶ」とも読む。
たいざんほくと【泰山北斗】
泰山と北斗星のこと。その道で大家として仰ぎ尊ばれる人。また、学問・芸術などある分野の権威・第一人者のたとえ。略して「泰斗」という。▽「泰山」は中国山東省にある名山。「北斗」は北斗七星で、ともにだれもが仰ぎ見る存在であることから。「泰」は「太」とも書く。
たいじゅしょうぐん【大樹将軍】
《「後漢書」馮異(ひょうい)伝から。後漢の馮異という将軍は、諸将が功績を誇るときも、一人大樹の下に引っ込んで功を誇らなかったという故事による》将軍、または征夷大将軍の異称。
たいどうふき【大道不器】
聖人の行う大いなる道は、限られた物しか盛ることのできない器とは異なり、広く大きな作用を発揮することができるものであるということ。▽「大道」は聖人が踏み行う大いなる道の意。「器」は器物・道具で、ある用途・作用しかもたないもののたとえ。「大道たいどうは器きならず」と訓読する。
たいぼんげじょう【退凡下乗】
仏語。摩訶陀(まかだ)国王の頻婆娑羅(びんばしゃら)によって釈迦説法の地、霊鷲山(りょうじゅせん)に建てられた2本の卒塔婆(そとば)に示された語。1本には下乗と記し、王は乗り物からおりて歩き、も...
たいぼんぼうてん【戴盆望天】
頭に盆を載せたまま天を仰ぎ見ることはできないように、二つのことを一度に実現させることは無理であるというたとえ。よいことを二つ同時に兼備することはできないということ。
たいみひったん【大味必淡】
本当においしい食べ物は味が淡白であることから、淡白なものこそ真にすぐれており、好まれるものだということ。濃厚な味は一時的に好まれても長続きはせず、淡白な味はいつまでも好まれるという意。▽「大味」はすぐれたよい味の意。「淡」はうすい、あっさりしている意。「大味たいみ、必かならず淡あわし」と訓読する。