がくちりこう【学知利行】
人が踏み行うべき人倫の道を後天的に学んで理解し、その正しさを知り認めて、初めて実践すること。人が踏み行うべき人倫の道を認識し、実践していく三つの道程、すなわち、生まれつき先天的にそれをもっている完全な道徳的人間の「生知安行」、生まれつきにはもっていないが、後天的にそれを認識し学んで正しいと知り、初めて実践する「学知利行」、生まれつき聡明そうめいでなく、発憤して心を苦しめ、やっとのことでそれを認識し、一心に努力を重ねて実践する「困知勉行こんちべんこう」のうちの一つ。▽「学知」は人倫の道を先天的でなく学んで知ること。「利行」はよい、また役に立つと認めて実践すること。
がしろうひょう【画脂鏤氷】
内実がしっかりしていないのに外側、外面を飾っても無駄であるたとえ。また、苦労し努力しても効果のないたとえ。力を無用なところに用いること。あぶらに画えがき氷に彫刻する意から。▽「脂」はあぶら。「鏤」はほる、刻みつける意。「画」は「かく」とも読む。「氷」は「冰」とも書く。「脂あぶらに画えがき氷こおりに鏤(ちりば・きざ)む」と訓読する。
がふらいめい【瓦釜雷鳴】
賢者が相応の評価をされず、能力のない者が重要な地位について、いばることのたとえ。また、讒言ざんげんが用いられるたとえ。
がんこうしはい【眼光紙背】
読書の理解力がきわめて鋭いことのたとえ。書物を読んで、その深意をつかみとることにいう。
がんこうじくじ【顔厚忸怩】
非常に恥じ入ることの謙称。顔にもありありと恥じ入る色が出る意。また、恥知らずな者の顔にも、なお恥じる色があらわれる意。▽「顔厚」は顔色が変わる意とも、面の皮が厚い者の意とも解される。「忸怩」は心に恥ずかしく思うこと。恥じて身をちぢめること。もと自分の恥じ入ることを謙譲して言ったものが、転じて文字通り、恥知らずのあつかましい者でさえ恥じ入ることの意に用いられることもある。
きこのいきおい【騎虎之勢】
物事にはずみがついて、途中でやめられないことのたとえ。
きさくみょうけい【奇策妙計】
人の意表をつくような、奇抜ですぐれたはかりごとのこと。▽「奇」は人の考えつかない、珍しくすぐれたの意。「妙」はすぐれた、非凡なの意。「策」「計」はともに策略・計略のこと。「妙計奇策みょうけいきさく」ともいう。
きしかいせい【起死回生】
死にかかった人を生き返らす意。医術のすぐれて高いことの形容。転じて、崩壊や敗北などの危機に直面した状態を、一気によい方向に立て直すこと。絶望的な状況を立て直し、一挙に勢いを盛り返すこと。▽「起死」「回生」はともに、死にかかった人を生き返らせること。「回生起死かいせいきし」ともいう。
きしせんめい【旗幟鮮明】
主義主張や態度などがはっきりしているたとえ。旗じるしがはっきりして鮮やかである意から。▽「旗幟」は旗・のぼり。外にあらわれた主義主張や態度などのたとえ。「鮮明」は鮮やかではっきりしているさま。
きばほうぎゅう【帰馬放牛】
戦争が終わって平和になるたとえ。また、再び戦争をしないたとえ。戦争で使った馬や牛を野に帰し放つ意から。▽「馬うまを帰かえし牛うしを放はなつ」と訓読する。