たいざんふくん【泰山府君】
中国の泰山の神。道教で人の寿命・福禄ふくろくをつかさどる神とされる。仏教と習合し十王の一人に数えられ、閻魔えんま王の太子とも、その書記ともいう。▽「府君」はここでは神の名。日本では素戔鳴尊すさのおのみことと同一視されて、陰陽家おんみょうかでまつられる。「泰」は「太」とも書く。「府」は「ぶ」とも読む。
たじょうたこん【多情多恨】
感じやすい気持ちをもっているために、恨みや悔い、悲しみに思うようなことも多いこと。また、そのさま。▽「恨」はうらむ、憎む意。「多恨多情たこんたじょう」ともいう。
たんしこしょう【箪食壺漿】
食べ物・飲み物を用意し、軍隊を歓迎すること。また広く、歓迎することをいう。▽「箪」は竹でできたわりご。「漿」は酒以外の飲み物。食べ物を竹の器に入れ、飲み物を壺つぼに入れて歓迎すること。
だんしょうしゅぎ【断章取義】
書物や詩を引用するときなどに、その一部だけを取り出して自分の都合のいいように解釈すること。▽「章」は文章。また、詩文の一編。「断章」は文章の一部を取り出すこと。「取義」はその意味をとること。「章しょうを断たち義ぎを取とる」と訓読する。
ばっぽんそくげん【抜本塞源】
災いの原因になるものを、徹底的に取り除くこと。木の根を抜き、水源をふさぎ止める意から。もとは、根本を忘れて道理を乱すたとえとして用いられたが、現在では前者の意に用いられることが多い。▽「本」は木の根。「源」は水源。「本もとを抜ぬき、源みなもとを塞ふさぐ」と訓読する。
ひかこうがい【悲歌慷慨】
悲しげに歌い、世を憤り嘆くこと。社会の乱れや自分の不運などを、憤り嘆くこと。壮烈な気概のたとえ。▽「悲歌」は悲しげに歌うこと。「慷慨」は憤り嘆くこと。「慷慨悲歌こうがいひか」ともいう。
めんもくやくじょ【面目躍如】
世間の評価に値する活躍をしていて、生き生きとしているさま。また、名声・世間体などがよりよくなるさま。▽「面目」は世間に対する体面の意。「躍如」は生き生きとして勢いのよいさま。「目」は、「ぼく」とも読む。
りゅうしょうきょくすい【流觴曲水】
昔、中国で、陰暦3月3日に行われた宴。折れ曲がった水の流れに杯を流し、その杯が自分の前に来るまでに詩を作り、杯の酒を飲んだ遊び。のちに日本でも行われた。→曲水の宴
りゅうばんこきょ【竜蟠虎踞】
竜や、とらのように抜きんでた能力をもった者がある地域にとどまって、そこでその能力を存分に発揮すること。▽「蟠」はじっと居座ること。「踞」はうずくまること。近づくのが困難な状態を指す。本来は、地勢が険しく、攻めるのに困難な意で用いられたが、転じて、竜やとらのように力強い勢力をもった者が居座って、他を威圧する地域・集団を形成する意味になった。「竜」は「りょう」とも読み、「蟠」は「盤」とも書く。また、「虎踞竜蟠こきょりゅうばん」ともいう。
わこうどうじん【和光同塵】
自分の才能や徳を隠して、世俗の中に交じってつつしみ深く、目立たないように暮らすこと。▽「和光」は才知の光を和らげ、隠すこと。「塵」はちりのこと。転じて、俗世間。「同塵」は俗世間に交じわる、合わせること。また、仏教では、仏や菩薩ぼさつが仏教の教化を受け入れることのできない人を救うために、本来の姿を隠し変えて、人間界に現れることをいう。