こくろせいしゅう【刻露清秀】
秋の気候のさっぱりとすがすがしいさま。秋の景色のすがすがしいさま。▽「刻露」は木の葉が落ちて、山の姿が厳しく現れること。「清秀」は気が澄んで清く、眺めの秀麗なさま。
こじゅせいか【枯樹生華】
非常な困難のさなかに活路を得るたとえ。また、老い衰えた人が生気を取り戻すたとえ。枯れ木に花が咲く意から。もとはこの上ない真心が通じることをたとえたもの。▽「華」は「花」とも書く。「枯樹こじゅ、華はなを生しょうず」と訓読する。
ごぎゅうぜんげつ【呉牛喘月】
過度におびえ恐れることのたとえ。また、疑いの心があると、何でもないものにまで恐れや疑いの気持ちをもつたとえ。暑い呉の地方の牛は月を見ても暑い太陽だと思い、喘あえぐ意から。▽「呉」は江南一帯の地。「喘」は息が切れて苦しそうに呼吸すること。「呉牛ごぎゅう、月つきに喘あえぐ」と訓読する。
しかいふくねん【死灰復然】
一度衰えた勢力が再び盛り返すたとえ。また、一度おさまった事が再発することのたとえ。火の気が消えて冷たくなった灰が、再び燃え出す意から。▽「然」は「燃」と同じで、燃える、燃え上がる意。「然」は「燃」とも書く。「死灰しかい復また然もゆ」と訓読する。
しゅんしゅうしゅうし【春愁秋思】
春の日にふと感じる物悲しさと、秋にふと感じる寂しい思い。よい気候のときに、なんとなく気がふさぐこと。また、いつも心のどこかに悲しみや悩みがあること。▽「春愁」は春の日のもの思い、春に感じる哀愁、「秋思」は秋の寂しいもの思いの意。
しゅんぷうたいとう【春風駘蕩】
春の景色ののどかなさま。春風がそよそよと気持ちよく吹くさま。また、温和でのんびりとした人柄のたとえ。▽「駘蕩」は春ののどかなさま。のびのびしたさま。
しゅんわけいめい【春和景明】
春の日の穏やかで、光の明るいさま。春の穏やかで、明るい陽気のこと。▽「春和」は春の和らいだ様子。「景」は日差し・日光の意。「春はるは和やわらぎ景けいは明あきらかなり」と訓読する。
しょうしんくりょ【焦心苦慮】
心を痛めて、あれこれ思いをめぐらし悩むこと。▽「焦心」は気をもむこと。「苦慮」は心を悩まし考えること。
しょしかんてつ【初志貫徹】
初めに心に決めた志を最後まで貫き通すこと。▽「初志」は思い立ったときの最初の気持ち・志。「貫徹」はやり通す、貫き通すこと。
じょうしょてんめん【情緒纒綿】
情緒が深くて離れがたいさま。▽「情緒」は、おりにふれて起こる、さまざまな思い・感情・気分。「纒綿」は、心にまとわりついて離れないさま。「緒」は「ちょ」とも読む。