ごぎゅうぜんげつ【呉牛喘月】
疑いや誤解から必要以上におびえることのたとえ。また、思い過ごしからいらぬ苦労をすることのたとえ。
- 注記
- 「呉」は、中国の長江ちょうこう下流の南側の地域。「喘」は、あえぐ。呉の地域はあまりにも暑いので、そこにいる牛は月を見ても太陽だと思って、あえいだことから。「呉牛ごぎゅう月つきに喘あえぐ」と読み下す。
- 出典
- 『世説新語せせつしんご』言語げんご
- 用例
- 蜀犬しょっけん日に吠え、呉牛月に喘あえぐと云いうから、わしの様な田舎者は、却かえって困るかも知れんてのう。〈夏目漱石・草枕〉