たいどうふき【大道不器】
聖人の行う大いなる道は、限られた物しか盛ることのできない器とは異なり、広く大きな作用を発揮することができるものであるということ。▽「大道」は聖人が踏み行う大いなる道の意。「器」は器物・道具で、ある用途・作用しかもたないもののたとえ。「大道たいどうは器きならず」と訓読する。
たいぼうかんが【体貌閑雅】
姿かたちが落ち着いて上品なさま。▽「体貌」は姿と顔だち、容貌ようぼう。「閑雅」は物静かで上品な趣があること。また、そのさま。
たいみひったん【大味必淡】
本当においしい食べ物は味が淡白であることから、淡白なものこそ真にすぐれており、好まれるものだということ。濃厚な味は一時的に好まれても長続きはせず、淡白な味はいつまでも好まれるという意。▽「大味」はすぐれたよい味の意。「淡」はうすい、あっさりしている意。「大味たいみ、必かならず淡あわし」と訓読する。
たぞうこうぼう【多蔵厚亡】
財物をたくさん貯えることは、必ず巨大な損失につながる意。欲が深いと人間関係が駄目になって、やがては財物ばかりかすべてを失ってしまうというたとえ。▽「多蔵」はたくさん貯えること。「厚亡」は損失が大きい意。一般に「多おおく蔵ぞうすれば厚あつく亡うしなう」と訓読を用いる。
たぼうぜんだん【多謀善断】
よく考えて、物事を上手にさばき処置すること。▽「謀」は考えをめぐらすこと。「善断」はうまく処置すること。
たんかつせんけつ【短褐穿結】
貧しい人や卑しい人の着る衣服。貧者の粗末な姿の形容。▽「短褐」は短い荒布でできた着物。「穿結」は破れていたり、結び合わせてあったりすること。
だいたんふてき【大胆不敵】
度胸がすわっていて、まったく恐れないこと。また、そのさま。▽「大胆」は度胸があって物事に気後れしないさま。「不敵」は恐れを知らず敵を敵とも思わない意。
ちっきょへいそく【蟄居屏息】
家にこもって外出せず、じっと隠れていること。▽「蟄居」は動物や虫が冬眠しているように、一つの場所にとどまって、じっと隠れていること。「屏息」は「屏気」と同じで、息を殺してじっと隠れていること。江戸時代、公家・武士に科した刑罰の一つで、外出を禁じて一室に謹慎させたもの。
ちへいてんせい【地平天成】
世の中が平穏で、天地が治まること。▽「地平」は地の変動がなく、世の中が平穏に治まること。「天成」は天の運行が順調で、万物が栄えることをいう。▽「地ち平たいらかに天てん成なる」と訓読する。「内平外成ないへいがいせい」とともに、年号の「平成」の出典とされる語。
ちゅうしんしふつ【抽薪止沸】
物事を根本から解決することのたとえ。▽「抽薪」は燃えている薪を竈かまどから引き抜くこと。「止沸」は沸騰した湯を火を止めてさますこと。問題を解決するには根本から解決するということ。「薪たきぎを抽ぬきて沸たぎりを止とどむ」と訓読する。