あいあいふぼ【哀哀父母】
子を生み育てて苦労を重ねてくれた父母。苦労を重ねて死んだ父母の死と、その恩に報いることができなかったことを悲しみ嘆き、親を慕う情を表した語。▽「哀哀」は悲しむさま。「哀哀あいあいたる父母ふぼ」とも読む。
あんそうしゅうは【暗送秋波】
目でこっそりと情を伝えること。こっそりと色目を使うこと。また、表ではうまく立ち回り陰で悪だくみをすること。▽「暗」はひそかに、こっそりの意。「秋波」は流し目・色目。美人のまなざしは秋の波のように涼しげであることからいう。「暗あんに秋波しゅうはを送おくる」と訓読する。
いしんでんしん【以心伝心】
文字や言葉を使わなくても、お互いの心と心で通じ合うこと。▽もとは禅宗の語で、言葉や文字で表されない仏法の神髄を、師から弟子の心に伝えることを意味した。「心こころを以もって心こころに伝つたう」と訓読する。
いちごいちえ【一期一会】
一生に一度だけの機会。生涯に一度限りであること。生涯に一回しかないと考えて、そのことに専念する意。もと茶道の心得を表した語で、どの茶会でも一生に一度のものと心得て、主客ともに誠意を尽くすべきことをいう。▽千利休の弟子宗二の『山上宗二記やまのうえそうじき』に「一期に一度の会」とあるのによる。「一期」は仏教語で、人が生まれてから死ぬまでの間の意。
いちだんのわき【一団和気】
和らぎ、なごやかな雰囲気。親しみやすい態度。また、無原則に他人に合わせて、表面的に和らいでいるように見せることを卑しんでいうこともある。▽「一団」は一つのまとまった、ひとかたまりの意。
うみせんやません【海千山千】
長い年月にさまざまな経験を積んで、世の中の裏も表も知り尽くしていて悪賢いこと。また、そういうしたたかな人。▽「海に千年、山に千年」の略。海に千年、山に千年棲すみついた蛇は竜になるという言い伝えから。
みょうせんじしょう【名詮自性】
物の名は、その物自体の本性を表すということ。名が自らの性質を備えているということ。▽仏教語。略して「名詮」ということもある。「詮」はときあかす意。「自性」はその物の性質、本性。「性」は「称」とも書く。
めんじゅうふくはい【面従腹背】
うわべだけ上の者に従うふりをしているが、内心では従わないこと。▽「面従」は人の面前でだけ従うこと。「腹」は心の中のこと。「背」は背くこと。
もくしきし【目指気使】
言葉でなく、目で合図したり顔色で示したりして、自分より目下の者を指図し、こき使うこと。また、勢い盛んで、傲慢ごうまんな態度のことをいう。▽「目指」は目くばせで、人を指図し使うこと。「気使」は口にすることなく、手ぶりで人に命令すること。
りめんこうさく【裏面工作】
表に出ないかたちで、いろいろな対処や作戦を行うこと。