いんかんふえん【殷鑑不遠】
身近な失敗例を自分の戒めとせよというたとえ。また、自分の戒めとなるものは、近くにあることのたとえ。▽「殷」は古代中国の国の名。「鑑」は鏡で、手本の意。中国の古代王朝は夏(商ともいう)から始まり、殷、周と続く。殷王朝の戒めとなるよい見本は遠くに求めなくても、すぐ前代の夏王朝の暴政による滅亡があるという意。戒めとなる失敗の前例は遠くに求めずとも、身近にあるからこれを戒めとせよということ。一般に「殷鑑いんかん遠とおからず」と訓読を用いる。
しゃくきんぼうえん【釈近謀遠】
身近なところや今をおろそかにして、いたずらに遠いところや、はるか将来のことばかり考えること。実際的なことを考えず、迂遠うえんなことをするたとえ。また、身近なところや今を、よく考えるべきであるという戒めの語。▽「釈」は捨てる意。一般に「近ちかきを釈すてて遠とおきを謀はかる」と訓読を用いる。
ぜんとりょうえん【前途遼遠】
目的達成までの道のりや時間が、まだ長く残っているさま。今後の道のりがまだ遠くて困難なさま。▽「前途」は将来、目標までの今後の道のり。「途」は道のりのこと。「遼遠」ははるかに遠いさま。「遼」は道が延々と長く続いている意。