がくちりこう【学知利行】
人が踏み行うべき人倫の道を後天的に学んで理解し、その正しさを知り認めて、初めて実践すること。人が踏み行うべき人倫の道を認識し、実践していく三つの道程、すなわち、生まれつき先天的にそれをもっている完全な道徳的人間の「生知安行」、生まれつきにはもっていないが、後天的にそれを認識し学んで正しいと知り、初めて実践する「学知利行」、生まれつき聡明そうめいでなく、発憤して心を苦しめ、やっとのことでそれを認識し、一心に努力を重ねて実践する「困知勉行こんちべんこう」のうちの一つ。▽「学知」は人倫の道を先天的でなく学んで知ること。「利行」はよい、また役に立つと認めて実践すること。
しぜんとうた【自然淘汰】
自然界で、生態的条件や環境などによりよく適合するものは生存を続け、そうでない劣勢のものは自然に滅びていくこと。転じて、長い間には劣悪なものは滅び、優良なものだけが自然に生き残ること。▽「淘汰」は選び分ける。悪いものを捨て、よいものを取ること。もとダーウィンが進化論の中で説いた語。
しゅくやむび【夙夜夢寐】
一日中。朝から晩までいつもいつも。また、寝ても覚めても思うこと。一日中、頭を離れず思い続けること。▽「夙夜」は早朝から夜遅くまで。一日中。「寐」はねる意。「夢寐」は寝て夢を見ること。寝ている間のこと。
しゅじょうさいど【衆生済度】
仏道によって、生きているものすべてを迷いの中から救済し、悟りを得させること。▽仏教語。「衆生」は生きとし生けるもの。人間を含むすべての生きもの。「済度」は迷う衆生を悟りの境地に導くこと。
しょうじるてん【生死流転】
衆生しゅじょうが煩悩を捨てられず、解脱することもなく、苦しい生死の世界を果てることもなく巡ること。▽仏教の世界では、人間は生死を繰り返して、六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上の六界)を次々と巡ると考えていた。
しょほうむが【諸法無我】
宇宙間に存在するあらゆる事物には、永遠不変な本性である我ががないということ。仏法の大綱である三法印さんぼういんの一つ。▽「諸法」はあらゆる事物、ありとあらゆるものの意。「我」はその存在をあらしめている永遠不変の本質。
しんたいはっぷ【身体髪膚】
人間のからだ全体のこと。全身。▽「身体」はからだ。「髪膚」は髪の毛と皮膚の意。ここから、からだ全体をいう。からだは父母から受けた大切なものの意が込められ、出典に「身体髪膚之これを父母に受く、敢あえて毀傷きしょうせざるは孝の始めなり」とある。
じごしょうだく【事後承諾】
関係者の承諾を必要とする行為を、時間的な事情などで承諾を受けずに行ったとき、事がすんだあとで、それについての承諾を受けること。
じゅうねんいっけん【十年一剣】
長い間、武術の修練を積むこと。また、武術の修練を積み、力を発揮する機会を待つこと。十年の間ひと振りの剣を磨く意から。▽「十年、一剣を磨みがく」の略。
むみょうじょうや【無明長夜】
根本的な聡明そうめいさに欠けるため、衆生しゅじょうが煩悩にとらわれ、真理を得にくいこと。悟りの境地に達しないこと。このことを、明けることのない長い夜にたとえた。▽仏教語。「無明」は衆生を迷わせる煩悩があるために、物事の真理が見えず、仏道にくらいこと。「長夜」は長い間、長い時間にわたっての意。