うみせんやません【海千山千】
長い年月にさまざまな経験を積んで、世の中の裏も表も知り尽くしていて悪賢いこと。また、そういうしたたかな人。▽「海に千年、山に千年」の略。海に千年、山に千年棲すみついた蛇は竜になるという言い伝えから。
かきょあっかん【科挙圧巻】
試験で最もすぐれた成績を収めること。▽「科挙」は中国の隋ずい代に制度として確立した官吏登用試験のこと。科目で人材を挙げ用いる意。「圧巻」は最優秀の答案(巻)を他の答案の上に載せたことから出た語で、最もすぐれたものが一番上にあって、他のすべての答案を圧すること。書物や演劇などの中で最もすぐれた部分、また、詩文などで多くの作品中最もすぐれたものをいう。「巻」は答案用紙の意。
かんちゅうずいば【管仲随馬】
管仲が戦いの帰り道で道に迷ったとき、一度通った道を覚えているとされる老いた馬の知恵を借りようと、これを放ってそのあとに従い道を見出した故事。もと管仲のような知恵者ですら馬の知恵に頼るのに、人が聖人の知恵に頼らないことを戒めた語。のち転じて、先人の経験を尊重するたとえ。また、人には得意不得意があるたとえとして用いられることもある。
かんてんぼうき【観天望気】
雲や風の動きなどを観察して、経験をもとに天気を予想すること。
けんりょうほうせい【賢良方正】
賢く善良で行いが正しいこと。また、その人。また、漢唐以降の官吏登用試験の科目の名。▽「賢良」は賢く善良なこと。「方正」は行いが正しいこと。
しんげんしょはん【身言書判】
人材を登用する際に、人物鑑定の規準とするもの。中国唐代における、官吏登用の人物試験の四つの規準、容姿・言葉遣い・筆跡(文字)・文章をいう。▽「身」は容貌ようぼう、「言」は言辞、「書」は書道、「判」は文章のこと。
せいせんばんせん【青銭万選】
青銅の銭は質がよいので、一万回選び取っても、他の粗悪な銭と取り間違えたりしないこと。転じて、何度受けても必ず科挙(昔の中国の官吏登用試験)の試験に合格できるほどのすばらしい文章のこと。
にくじきさいたい【肉食妻帯】
僧侶そうりょが肉を食べ、妻をめとること。▽僧侶は殺生をしてはならず、禁欲生活を送るべきものであるという考え方から、かつて浄土真宗以外の宗派ではこれを禁じていた。「食」は「しょく」とも読む。
ひゃくはちぼんのう【百八煩悩】
人間が過去・現在・未来にわたって経験する多くの心の迷いや苦しみのこと。▽「煩悩」は仏教用語で、人間の心身をわずらわし悩ませる迷いの心の意。それが全部で百八種類あるという。
ほうけいふうそう【飽経風霜】
厳しい世の中の苦労を味わい尽くして、世渡り上手で、したたかなこと。▽「飽経」は飽きるほど経験する意。「風霜」は厳しいもの、困難や苦労のたとえ。「風霜ふうそうを飽経ほうけいす」と訓読する。