えんぴぎょやく【鳶飛魚躍】
万物が自然の本性に従って、自由に楽しんでいることのたとえ。また、そのような天の理の作用のこと。また、君主の恩徳が広く及び、人々がその能力などによって、それぞれ所を得ているたとえ。鳶とびが空に飛び魚が淵ふちにおどる意から。▽「鳶とび飛とび魚うお躍おどる」と訓読する。
くんしのさんかい【君子三戒】
君子がつつしまなければいけない三つの戒めのこと。君子たる者は若いときは色欲を戒め、壮年時代には人と争うことを戒め、年取ってからは欲深にならないように戒めなければいけないということ。
くんしばんねん【君子万年】
君子は長寿であること。長寿を祈る語としても用いられる。▽「君子」は教養や徳の高い立派な人。人格者。「万年」は一万年で、長い年月。「万」は「まん」とも読む。
くんしひょうへん【君子豹変】
君子が過ちを改めて善に移るのは、ひょうの皮のまだら模様のように非常にはっきりしているということ。転じて、現在では主張や態度が急にがらりと変わることをいう。また、その無節操ぶりを非難する語。▽「君子」は教養や徳の高い立派な人。人格者。「豹変」は季節によってひょうのまだら模様が美しくなることから、主張や態度などが急に変わること。
くんしふき【君子不器】
器物はある用途にのみ有効であるが、君子はそうした一能一芸にのみすぐれるのではなく、広く何事にも通用する才能をもつということ。▽「君子」は教養や徳の高い立派な人。人格者。一般に「君子くんしは器きならず」と訓読を用いる。
さいしゅうふくしゅう【載舟覆舟】
君主は人民によって支えられ、また、人民によって滅ぼされること。君主は人民を愛し、政治に安んじさせることが必要であるということをいう。また、人は味方して盛り立ててくれることもあれば、敵となってつぶしにかかることもあるということ。▽水は舟を浮かべるものであるが、同時に舟を転覆させもする意。君主を舟、民衆を水にたとえたもの。「舟ふねを載のせ舟ふねを覆くつがえす」と訓読する。
ぜんじょうほうばつ【禅譲放伐】
古代中国で、王朝が交替するときの二つの方法のこと。▽「禅譲」は君主が徳の高い人物に帝位を譲ること。「放伐」は悪逆で帝位にふさわしくない君主を有徳の人物が討伐すること。太古には理想の禅譲が行われていたが、後には帝位を奪い取る際に、形ばかり禅譲の形をとることも行われた。
ちゅうくんあいこく【忠君愛国】
君主に対して忠節を尽くし、国を愛すること。▽「忠君」は君主に対して忠節であること。「愛国」は国を愛すること。
ちゅうこういっち【忠孝一致】
主君に忠節を尽くすことと、親に孝行を尽くすこととが同じであること。また、それらを全うすることができること。▽「忠」は主君に対する忠義、「孝」は親孝行。
ばんじょうのきみ【万乗之君】
兵車一万台を出せる君主の意から、大国の君主、大諸侯。特に天子をいう。