いったいぶんしん【一体分身】
一つの物事をもとにして、そこから分かれ出たいくつかの物事。一つのものからいくつかに分かれること。また仏教で、諸仏菩薩しょぶつぼさつが衆生しゅじょうを救うために、さまざまに化身して出現すること。▽後者は「いったいふんじん」とも読む。
いみしんちょう【意味深長】
人の言動や詩文などの表現に、非常に深い趣や含蓄のあるさま。また、表現の表面にあらわれた意味のほかに、別の意味が含まれているさま。後者は俗に略して「意味深いみしん」ともいう。▽「深長」は奥深くて含蓄のあるさま。
きげんきこう【危言危行】
言語や行いを厳しくすること。また、言行を清く正しく保つこと。▽「危」は前者のとき、言動を厳しくして俗に従わない、また、厳正にする意。後者のとき、高くする、正しく気高くする意。よって前者は「言げんを危はげしくし行おこないを危はげしくす」、後者は「言げんを危たかくし行おこないを危たかくす」と訓読する。別な訓読もある。
そうこんぼくひ【草根木皮】
草の根と木の皮の意で、まっとうな食べ物ではないもののこと。また、漢方薬で用いられる原料のこと。▽前者の意は飢饉ききんなどで食糧不足に陥ったときの様子として表す。後者の意は漢方薬の原料の代表をいったもの。「木」は「もく」とも読む。
なむさんぼう【南無三宝】
仏に帰依きえを誓って、救いを求めること。また、突然起こったことに驚いたり、しくじったりしたときに発する言葉。「南無三なむさん」ともいう。▽前者の意は仏教語。「南無」は経典きょうてんや仏などの名の前につけて、それに対する絶対的帰依を誓う言葉。「三宝」は仏と仏の教えと教えを広める僧のことで、これを仏・法・僧という。救いを求めることから後者の意味が加わった。
ばんしいっせい【万死一生】
必死の覚悟を決めること。また、ほとんど死を避けがたい危険な瀬戸際で、かろうじて助かること。▽「万死」はほとんど助かる見込みのないこと。「生」は「しょう」とも読む。前者は「万死に一生を顧かえりみず」、後者は「万死を出いでて一生に遇あう」「万死に一生を得う」の略。
へんげんせつごく【片言折獄】
ただ一言で人々の納得のいくような裁判の判決を下すこと。また、一方だけの言い分を信じて、裁判の判決を下すこと。▽「片言」は一言での意。また、後者の意のときは、一方だけの言い分の意。「折」は「断」と同義で、善悪を折中して判決を下すこと。「獄」は訴訟のこと。「片言へんげん獄ごくを折さだむ」と訓読する。