ふくりょうほうすう【伏竜鳳雛】
才能がありながら機会に恵まれず、力を発揮できない者のたとえ。機会を得ず、まだ世に隠れているすぐれた人物のたとえ。また、将来が期待される若者のたとえとしても用いる。▽「伏竜」は伏し隠れている竜。「鳳雛」は鳳おおとりのひな。「鳳」は想像上の瑞鳥ずいちょう、鳳凰ほうおうのこと。「竜」は「りゅう」とも読む。
ようこうしゃぞう【用行舎蔵】
出処進退の時機をわきまえていること。また、出処進退が時宜にかなっていること。君主に任用されれば、世に出て能力を発揮し、見捨てられれば、世間から身を隠し、静かに暮らすこと。▽「舎」は「捨」に同じで捨てる意。「蔵」は隠れる意。「用もちいらるれば行おこない舎すてらるれば蔵かくる」と訓読する。「舎」は「捨」とも書く。
らんさいぎょくせつ【蘭摧玉折】
賢人や美人などが、その魅力を十分に発揮しないまま、世を去ってゆくこと。本来の意味は、蘭の花が散り、玉が砕け割れること。▽「摧」はくだける意。
りゅうばんこきょ【竜蟠虎踞】
竜や、とらのように抜きんでた能力をもった者がある地域にとどまって、そこでその能力を存分に発揮すること。▽「蟠」はじっと居座ること。「踞」はうずくまること。近づくのが困難な状態を指す。本来は、地勢が険しく、攻めるのに困難な意で用いられたが、転じて、竜やとらのように力強い勢力をもった者が居座って、他を威圧する地域・集団を形成する意味になった。「竜」は「りょう」とも読み、「蟠」は「盤」とも書く。また、「虎踞竜蟠こきょりゅうばん」ともいう。
ろうきふくれき【老驥伏櫪】
人が年老いても、なお若者と変わらぬ大志を抱くこと。もとは、年老いた駿馬しゅんめが活躍の場を失い、馬屋に伏していながら、なお若いころの千里を駆ける志を捨てない意。また、能力のある人が、それを発揮することなく老いるたとえとしても用いられることがある。▽「驥」は一日に千里を走る駿馬。「櫪」はくぬぎの木。くぬぎが床下の横木に用いられたことから転じて、ねだの意。ここでは馬屋のねだで、馬小屋のこと。「老驥ろうき、櫪れきに伏ふす」と訓読する。