いちぞくろうとう【一族郎党】
血のつながりのある者と、その従者や家来。また、家族や関係者の全員、有力者とその周りにいる利益を同じくする者をもいう。▽「郎党」は家臣の意で、「ろうどう」とも読み、また「郎等」とも書く。
いちみととう【一味徒党】
同じ志や目的をもって仲間になること。また、その仲間。▽「一味」はほかの味を交えない一つの味の意から、平等・同一の意。また、志を同じくするという意から、仲間・同志をいう。「徒党」は事をもくろむために集まった仲間。悪い仲間をいうことが多い。
えんてんかつだつ【円転滑脱】
言葉や行動が自在で角立たず、物事をすらすら処理していくさま。物事をそつなくこなすさま。▽「円転」は丸く回る意。角立てずに滞りなく進むこと。「滑脱」はすべりぬける意。転じて、なめらかで自在に変化するさま。
かんこつだったい【換骨奪胎】
古人の詩文の表現や発想などを基にしながら、これに創意を加えて、自分独自の作品とすること。他人の詩文、また表現や着想などをうまく取り入れて自分のものを作り出すこと。骨を取り換え胎盤を奪い取って、自分のものとする意から。▽もと、「換骨」は凡骨を取り去って仙骨に取り替える、「奪胎」は胎盤を奪い生まれ変わらせる意で、修練をして根本から仙人に生まれ変わることをいう道家の語。転じて、詩文の創作法として「換骨」は、古人の詩文の意味を変えないで字句を変えること。「奪胎」は古人の詩文の内容・主意を取って作りかえること。今では、他人の作品の一部を作りかえて、新しいもののように見せかける意に用いられることもある。「奪胎換骨だったいかんこつ」ともいい、「奪」は「脱」とも書く。「骨ほねを換かえ胎たいを奪うばう」と訓読する。
がいこうないしつ【外巧内嫉】
表面上は巧みにとりつくろっているが、内心ではねたんでいること。▽「外巧」は外面上美しく巧みに飾り立てていること。「嫉」はねたむ意。
こうげんれいしょく【巧言令色】
口先だけでうまいことを言ったり、うわべだけ愛想よくとりつくろったりすること。人に媚こびへつらうさま。▽「巧言」は相手が気に入るように巧みに飾られた言葉。「令色」は愛想よくとりつくろった顔色。「令」はよい意。
じだいさくご【時代錯誤】
時代の異なるものを混同して考えること。また、考え方や行動などが時代の流れに逆行していて合わないこと。時代遅れ。アナクロニズム。▽「錯誤」は、たがう、誤ること。
そんしゃさんゆう【損者三友】
交際して損をする三種の友人のこと。うわべだけの不正直な(便辟べんぺき)人、誠実さのない(善柔ぜんじゅう)人、口先だけ達者な(便佞べんねい)人を友とするのは害であるということ。
たいざんふくん【泰山府君】
中国の泰山の神。道教で人の寿命・福禄ふくろくをつかさどる神とされる。仏教と習合し十王の一人に数えられ、閻魔えんま王の太子とも、その書記ともいう。▽「府君」はここでは神の名。日本では素戔鳴尊すさのおのみことと同一視されて、陰陽家おんみょうかでまつられる。「泰」は「太」とも書く。「府」は「ぶ」とも読む。
だんがんこくし【弾丸黒子】
きわめて狭い土地のたとえ。▽「弾丸」はすずめなどを捕るために使うはじき玉。「黒子」はほくろ。「黒痣」とも書く。