あそうせいほう【鴉巣生鳳】
からすの巣におおとりが生まれること。愚かな親にすぐれた子が生まれるたとえ。また、貧しい家にすぐれた人物が生まれるたとえ。「とびが鷹たかを生む」の意。▽「鴉」はからす。「鳳」はおおとり。想像上の瑞鳥ずいちょうで、聖天子が出ると現れるとされる。「鴉巣あそうに鳳ほうを生しょうず」と訓読する。
いかんせいじ【衣冠盛事】
名門の家に生まれて功績をあげ、その家の盛んな名声を引き継ぐこと。また、その者。▽「衣冠」は衣服とかんむりの意から、立派な家柄・名門をいう。「盛事」は立派な事業、また、盛大な事柄の意。
いちごいちえ【一期一会】
一生に一度だけの機会。生涯に一度限りであること。生涯に一回しかないと考えて、そのことに専念する意。もと茶道の心得を表した語で、どの茶会でも一生に一度のものと心得て、主客ともに誠意を尽くすべきことをいう。▽千利休の弟子宗二の『山上宗二記やまのうえそうじき』に「一期に一度の会」とあるのによる。「一期」は仏教語で、人が生まれてから死ぬまでの間の意。
いちじつのちょう【一日之長】
一日早く生まれた意。少し年長であること。転じて、ほんの少し経験があり、技能などが他よりわずかにすぐれていること。自分の経験・能力・技能などを謙遜けんそんしていう語。▽「日」は「にち」とも読む。
いちれんたくしょう【一蓮托生】
よい行いをした者は極楽浄土に往生して、同じ蓮はすの花の上に身を託し生まれ変わること。転じて、事の善悪にかかわらず仲間として行動や運命をともにすること。▽もと仏教語。「托」は、よりどころとする、身をよせる意。「託」とも書く。
いっししちしょう【一死七生】
天上界で一度死んで、七たびこの世に生まれ変わるという意。転じて、何度も生まれ変わること。この世に生まれ変わる限りどこまでもということ。また、あくまでも、どこまでもの意。▽「一死」は一回だけの死。「七生」は七たび生まれ変わること。何度も生まれ変わること。また、永遠にの意。
いっしゅくいっぱん【一宿一飯】
ちょっとした世話になること。また、ちょっとした恩義でも忘れてはいけないという戒めの語。旅先などで、一晩泊めてもらったり一度食事を恵まれたりする意から。▽「一宿」は旅先などで一晩泊めてもらうこと。「一飯」は一回の食事をごちそうになる意。昔、博徒ばくとの間では、旅の途中で泊めてもらったり食事を振る舞われたりして世話になると、生涯の恩義とする仁義があった。
いみしんちょう【意味深長】
人の言動や詩文などの表現に、非常に深い趣や含蓄のあるさま。また、表現の表面にあらわれた意味のほかに、別の意味が含まれているさま。後者は俗に略して「意味深いみしん」ともいう。▽「深長」は奥深くて含蓄のあるさま。
いんようごぎょう【陰陽五行】
天地間にあって、万物を造り出す陰と陽の二気と、天地間に循環流行して、万物を生じるもとになる水・火・木・金・土の五つの元素。万物の構成要素。古来、これらの要素の消長などによって、吉凶禍福など万象を解釈・説明しようとした陰陽五行説が行われ、いろいろな迷信が生まれて、人々の生活に大きな影響を及ぼした。日本の陰陽道おんようどうもこの流れを汲くんでいる。▽「陰」は「おん」とも読む。
うちこうさい【有智高才】
人並み外れて才智に恵まれていること。賢くて才能のあること。また、その人。