いっしゃせんり【一瀉千里】
流れのきわめて速い形容。転じて、文章や弁舌などが巧みでよどみのないことのたとえ。また、物事が一気にはかどることのたとえ。物事が調子よく速やかに進み片付くたとえ。▽「瀉」は水が下に流れ注ぐ意。勢いよく流れ下ること。水が一気に千里もの距離を流れ下る意。
かんざんじっとく【寒山拾得】
中国唐代中期の寒山と拾得の二人の高僧。二人とも奇行が多く、詩人としても有名だが、その実在すら疑われることもある。拾得は天台山国清寺こくせいじの食事係をしていたが、近くの寒巌かんがんに隠れ住み乞食こじきのような格好をした寒山と仲がよく、寺の残飯をとっておいては寒山に持たせてやったという。また、この二人は文殊菩薩もんじゅぼさつ、普賢ふげん菩薩の生まれ変わりといわれる。画題としてもよく用いられる。
がりょうてんせい【画竜点睛】
物事を完成するために、最後に加える大切な仕上げのたとえ。また、物事の最も肝要なところのたとえ。文章や話などで肝心なところに手を入れて、全体をいっそう引き立てるたとえ。▽「睛」はひとみ・目玉。転じて、物事の大切なところの意。一般には「画竜点睛を欠く」と用いることが多く、この場合は最後の仕上げが不十分で、肝心なところが欠けているため精彩がないことをいう。「竜りょうを画えがいて睛ひとみを点ず」と訓読する。「竜」は「りゅう」とも読む。
きんじょうてっぺき【金城鉄壁】
非常に守りの堅いことのたとえ。また、非常に堅固で、付け込むすきがないことのたとえ。金や鉄のようにきわめて堅固な城壁の意から。
きんじょうとうち【金城湯池】
非常に守りの堅いたとえ。また、他から付け入り攻め込みにくい堅固な備えのたとえ。▽「金城」は金で築いた堅固な城。「湯池」は熱湯をたぎらせた堀のこと。
きんゆうきょうこう【金融恐慌】
天災・内乱、景気の悪化などで、企業を結ぶ貸借の決済が不可能となり、信用関係が急激に崩壊して、預金の取り付け、銀行の支払停止および連鎖倒産などで、金融界全般に混乱が起こること。日本では、昭和2年(...
さいとくけんび【才徳兼備】
すぐれた才知と人徳を兼ね備えていること。▽「才徳」は才知と人徳・徳行。「兼備」は両方を身に付けていること。
しちりけっかい【七里結界】
人や物事を忌み嫌って、遠ざけたり、寄せ付けないようにすること。密教などで、悪魔が入ってきて修行を邪魔しないように、四方に境界を設けること。
しゅかくてんとう【主客転倒】
主な物事と従属的な物事が逆の扱いを受けること。物事の順序や立場などが逆転すること。▽「主客」は主人と客人。転じて、重要なことがらと、付けたり、従属的なことがらのこと。「客」は「きゃく」とも読む。また、「転」は「顛」とも書く。
しゅんらんしゅうぎく【春蘭秋菊】
春の蘭と秋の菊。花の時期は異なるものの、どちらもそれぞれに美しいということ。転じて、いずれもすばらしく、優劣を付けがたいことのたとえ。