いちぞくろうとう【一族郎党】
血のつながりのある者と、その従者や家来。また、家族や関係者の全員、有力者とその周りにいる利益を同じくする者をもいう。▽「郎党」は家臣の意で、「ろうどう」とも読み、また「郎等」とも書く。
おかめはちもく【岡目八目】
事の当事者よりも、第三者のほうが情勢や利害得失などを正しく判断できること。囲碁から出た語。碁をわきから見ていると、実際に打っている人よりも、八目も先まで手を見越すという意から。▽「岡目」は他人がしていることをわきで見ていること。「目」は碁盤の目の意。「岡」は「傍」とも書く。
かんぽうのまじわり【管鮑之交】
互いによく理解し合っていて、利害を超えた信頼の厚い友情のこと。きわめて親密な交際のこと。▽「管」は春秋時代、斉の名宰相の管仲。「鮑」は鮑叔牙ほうしゅくが。単に鮑叔ともいう。管仲と若いときから仲がよく、仲を斉の桓公かんこうに推挙した。「交」は「こう」とも読む。
がいかんじてい【蓋棺事定】
人は死んではじめて、その評価が定まるということ。また、生前の評価は利害などがからんでいるので、あてにならないことのたとえ。
がっしょうれんこう【合従連衡】
その時の利害に従って、結びついたり離れたりすること。また、その時勢を察して、巧みにはかりごとをめぐらす政策、特に外交政策のこと。もとは中国戦国時代、蘇秦そしんの合従策と張儀ちょうぎの連衡策のことをいう。▽「従」は縦たての意。「合従」は南北に連なった趙ちょう魏ぎ韓かん燕えん斉せい楚その六国が、縦の連合をして強国秦しんに対抗する策で、蘇秦が提唱した。「衡」は横の意。「連衡」はこの六か国が秦とおのおの横に同盟を結んで、国を維持しようとした策で、張儀の政策。「従」は「縦」とも書く。
ごえつどうしゅう【呉越同舟】
仲の悪い者同士や敵味方が、同じ場所や境遇にいること。本来は、仲の悪い者同士でも同じ災難や利害が一致すれば、協力したり助け合ったりするたとえ。▽「呉」「越」はともに中国春秋時代の国名。父祖以来の因縁の宿敵同士で、その攻防戦は三十八年に及んだという。
しゅうちゅうのてきこく【舟中敵国】
君主が徳を修めなければ、味方も敵になるということ。また、味方でも敵になることがあるたとえ。味方の中にも敵がいるたとえとして用いられることがある。利害を同じくする、同じ舟に乗っている者がみな敵になる意から。
しょっけんらんよう【職権濫用】
自分の地位や職務に認められた権限を、正しく執行せず、自らの利害に用いること。主に公務員が、職務でない行為を不当に行うこと。
しんしほしゃ【唇歯輔車】
一方がだめになると、他方もだめになってしまうような、お互いが助け合うことによって成り立つ関係のたとえ。もちつもたれつの関係をいう。▽「唇歯」はくちびると歯。「輔車」は頬骨ほおぼねと下あごの骨のことで、一説に車の添え木と車ともいい、他にも説がある。くちびると歯や頬骨と下あごの骨は、切っても切れない密接な関係にあることから。「輔車唇歯ほしゃしんし」ともいう。「唇」は「脣」とも書く。
ちょうさんぼし【朝三暮四】
目先の違いにとらわれて、結局は同じ結果であることを理解しないこと。また、言葉巧みに人を欺くこと。転じて、変わりやすく一定しないことや生計の意味でも使われる。▽「暮四朝三ぼしちょうさん」ともいう。