しゅすおり【繻子織(り)】
縦糸と横糸とが交差する点が連続することなく、縦糸または横糸だけが表に現れるような織り方。また、その織物。一般に縦糸の浮きが多く、斜文織りよりさらに光沢がある。
しゅすびん【繻子鬢】
1 江戸時代、毛筋を透かさないでなでつけた、繻子のようにつやのある鬢。 2 《繻子の頭巾 (ずきん) をかぶっていたところから》江戸時代、比丘尼 (びくに) の姿をした売春婦。
しゅすらん【繻子蘭】
ラン科の常緑多年草。暖地の林に生える。高さ約15センチ。根茎は地をはい、節から根を出す。葉は長楕円形で暗紫緑色を帯び、ビロード状のつやがあり、中央脈は白い。夏、淡褐色の小花を総状につける。ビロード蘭。
出典:青空文庫
・・・灰色の繻子に酷似した腹、黒い南京玉を想わせる眼、それから癩を病ん・・・ 芥川竜之介「女」
・・・は涙を隠すように、黒繻子の襟へ顎を埋めた。「御新造は世の中にあな・・・ 芥川竜之介「奇怪な再会」
・・・につづいた上には浅黄繻子のように光った青空がある。青空には熱と光・・・ 芥川竜之介「槍が岳に登った記」