かんぜ‐もとまさ【観世元雅】
[1395?〜1432]室町前期の能役者・能作者。通称、十郎。世阿弥の長男。観世大夫3世だが、現系図では数えない。若手ながら名手といわれたが、音阿弥を愛した足利義教の圧迫で、不遇の中に死んだ。作...
きた‐しちだゆう【喜多七大夫】
[1586〜1653]江戸初期の能役者。喜多流の祖。堺の人。名は長能(ながよし)。幼名、六平太。金春(こんぱる)流を学び、金剛流の芸系も受け継ぐ。豊臣秀吉に仕え、のち徳川秀忠より一流創設を許された。
こんぱる‐ぜんちく【金春禅竹】
[1405〜1470ころ]室町中期の能役者・能作者。名は七郎氏信。禅竹は法名。大和猿楽の金春座中興の名手。世阿弥の女婿。作品に「芭蕉」「定家」、理論書に「六輪一露之記」など。
こんぱる‐ぜんぽう【金春禅鳳】
[1454〜1520ころ]室町後期の能役者・能作者。名は八郎元安。禅鳳は法名。禅竹の孫。金春座大夫として、観世座と対抗。作品に「一角仙人」「嵐山」、理論書に「毛端私珍抄」「反古裏之書」など。
ぜあみ【世阿弥/是阿弥】
[1363?〜1443?]室町前期の能役者・能作者。観阿弥の長男で、2代目の観世大夫。本名、観世元清。通称三郎。足利義満の後援を得て、能楽を大成した。「風姿花伝」「花鏡」「至花道」ほか20余部の...
たけち‐てつじ【武智鉄二】
[1912〜1988]演出家・評論家・映画監督。大阪の生まれ。本姓、川口。はじめ古典芸能を研究・評論、のち若手歌舞伎役者らを用いて古典歌舞伎を演出し、「武智歌舞伎」として注目を集める。また、能や...
とうしゅうさい‐しゃらく【東洲斎写楽】
江戸後期の浮世絵師。東洲斎は号。徳島藩主蜂須賀氏のお抱え能役者といわれるが不明。役者似顔絵や相撲絵を描いたが、特に役者の個性豊かな顔を誇張的な描写で表し、大首絵に本領を発揮。現存する約140点の...
とりい‐きよのぶ【鳥居清信】
[1664〜1729]江戸中期の浮世絵師。初世。大坂の人。俗称、庄兵衛。鳥居派の祖。父清元とともに江戸に移る。瓢箪足(ひょうたんあし)や蚯蚓描(みみずが)きとよばれる躍動的な描法を創始して豪快な...
とりい‐きよます【鳥居清倍】
江戸中期の浮世絵師。初世。俗称、庄二郎。鳥居家2代目に擬せられる。清信の長男とも弟とも伝えられる。丹絵(たんえ)・漆絵による、すぐれた役者絵・美人画を残した。生没年未詳。
とりい‐きよみつ【鳥居清満】
[1735〜1785]江戸中期の浮世絵師。初世。江戸の人。俗称、亀次郎。2世清倍(きよます)の次男。鳥居家3代目で、紅摺(べにず)り絵による役者絵・美人画のほか、黒本・黄表紙の挿絵でも活躍。