[代]
1 遠称の指示代名詞。話し手と聞き手の双方が承知している場所や状況、人などをさす。
㋐あの場所、または、例の場所。あすこ。「―に見える店」「また―で待ってるよ」
㋑あのような程度。あれほど。「―まで仲が悪いとは思わなかった」
2 三人称の人代名詞。あの人。彼。
「此の事―と少将ともろ心に」〈宇津保・嵯峨院〉
出典:青空文庫
・・・義者の正義であろう。彼処に房のついた長剣がある。あれは国家主義者・・・ 芥川竜之介「侏儒の言葉」
・・・れとても朧気ながら、彼処なる本堂と、向って右の方に唐戸一枚隔てた・・・ 泉鏡花「一景話題」
・・・拮蟠して、枝を低く、彼処に湧出づる清水に翳す。…… そこに、青き・・・ 泉鏡花「瓜の涙」