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・・・馬鹿な弟子どもは、あの人を神の御子だと信じていて、そうして神の国の福音とかいうものを、あの人から伝え聞いては、浅間しくも、欣喜雀躍している。今にがっかりするのが、私にはわかっています。おのれを高うする者は卑うせられ、おのれを卑うする者は高う・・・
太宰治
「駈込み訴え」
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・・・保守派、反対派は欣喜雀躍してツルゲーネフのそのよびかたを、それから適用するようになった。ツルゲーネフは最も急進的な作品を描こうとして、実際においては反動的効果に陥った。 ところで、こんなにもツルゲーネフの一生にとって重大な意味をもってい・・・
宮本百合子
「ツルゲーネフの生きかた」