[名]からだに着るもの。着物衣服。特に、洋服。「木綿の—」「—を着る」
[接尾]助数詞。上に来る語によっては「ぷく」となる。
  1. 粉薬などの包みを数えるのに用いる。「薬二—」

  1. 茶・タバコなどを飲む回数をかぞえるのに用いる。「タバコを一—吸う」

  1. 主なものに伴って補佐となること。また、そのものや人。副知事・副委員長など。

  1. 書物書類原本を写した控え。写し。「正—二通の申請書」⇔

[名]床の間に掛けて飾りとする軸物。掛け物。「山水の—」
[接尾]助数詞。掛け物・軸物などを数えるのに用いる。上に来る語によっては「ぷく」「ぶく」となる。軸。「二—の掛け軸」
[名]
  1. 運のよいこと。幸運。幸い。しあわせ。「—を授かる」「—の神」⇔

  1. 神仏への供え物のおさがり。また、それをいただくこと。おふく。ごふく。

    1. 「このすずは鞍馬の—にて候ふぞ」〈著聞集・一八〉

[名・形動ナリ]ゆたかなこと。裕福なこと。また、そのさま。
    1. 「—な旦那を取り放してはと」〈浮・禁短気・五〉

  1. 複試合 (ふくしあい) 」の略。⇔

  1. 複勝式」の略。

[動カ下二]ふ(老)ける」の文語形。

[動カ五(四)]

    1. ㋐(吹く)空気が流れ動く。風が起こる。風が通ってゆく。「そよ風が—・く」

    2. 内部から水や蒸気などが勢いよくとび出す。ふき出す。「血が—・く」「鍋 (なべ) が—・く」

    3. ㋒今まで見えなかったものが外や表面に現れ出る。「新芽が—・く」「粉が—・いた干し柿」

    4. 相場が上がる。「小豆相場が—・く」

    1. ㋐(吹く)口をすぼめて、強く息を出す。また、そのようにして物に当てる。「風車 (かざぐるま) を—・いて回す」

    2. ㋑細い口から勢いよく出す。ほとばしり出す。「銃が火を—・く」「エンジンが白煙を—・く」

    3. ㋒息と一緒に口から出す。「タバコの煙を—・く」

    4. ㋓(吹く)出す息で音をたてる。「口笛を—・く」

    5. ㋔今まで見えなかったものを外や表面に現し出す。「柳が芽を—・く」「緑青を—・いた銅像

    6. ㋕(吹く)出まかせや大げさなことを言う。「ほらを—・く」

    7. ㋖(吹く)鉱石を溶かして金属分離させる。精錬する。「銅を—・く」

    8. ㋗(吹く)鋳造する。「鐘を—・く」

  1. 息をする。〈名義抄

[補説](1) 風が吹きわたるときの音、または口をすぼめて息を出すときの音がもとになってできた語という。(2) 1㋒と2㋔とは、結果は同じ状態意味するが、2㋔は内部からの力や勢いがそのような状態にするという観点に基づくもの。(3) 2㋕は「また、調子に乗ってふいている」のように自動詞的にも用いる。
[可能]ふける
[動カ下二]ふ(更)ける」の文語形。
[動カ五(四)]紙や布などで物の表面をこすり、汚れや水分などを取り去ってきれいにする。ぬぐう。「ハンカチで涙を—・く」「ぞうきんで廊下を—・く」
[可能]ふける
[用法]ふく・[用法]ぬぐう——「汗をふく(ぬぐう)」「涙をふく(ぬぐう)」では、両語とも使える。◇どちらも汚れ・水気などを取り去るために布や紙などを表面に当てて動かすことだが、「窓をふく」「食器をふく」のように、隅々までこすって全体をきれいにする意では「ぬぐう」は使いづらい。◇「ぬぐう」は部分的な汚れ・水気を取り去るという意が強い。「ハンカチで口もとをぬぐう」「ガラスの汚れをぬぐう」◇この特徴から「ぬぐう」は、汚点やよくない印象などマイナス面を取り去る意にも用いられる。「劣等感をぬぐい去る」「疑念をぬぐいきれない」
[動カ四]振る。ふるう。
  • 「十拳剣 (とつかつるぎ) を抜きて後手 (しりへで) に—・きつつ」〈・上〉

[動カ五(四)]

  1. 板・茅 (かや) ・瓦 (かわら) などで屋根をおおう。「スレートで屋根を—・く」

  1. 草木などを軒に挿して飾る。

    1. 「あやめ—・く軒場涼しき夕風に」〈玉葉集・夏〉

[可能]ふける
[動カ下二]ふ(蒸)ける」の文語形。

出典:青空文庫

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