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・・・どの国で書かれた本にしろ多くの物語風の書物の中には、善玉、悪玉があってそれが勧善懲悪的な筋で終りを結ばれている。が、ゴーリキイが実際の民衆生活の中で自分の体で経験しつつある人間は、そういう善玉・悪玉のどれにもあてはまらない。例えば書物はよく・・・
宮本百合子
「マクシム・ゴーリキイの伝記」
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・・・をこしらえたのは、日露戦争の後、日本の思想界文学界を風靡しはじめた自然主義思想に対して、封建的な習慣や馬琴風の勧善懲悪小説の存在を擁護しようとした結果であった。「文芸委員会」は美術展覧会の裸体画を撤回させ「モリエールの作品が孝行の本義に背く・・・
宮本百合子
「矛盾の一形態としての諸文化組織」