とうけんがけい【陶犬瓦鶏】
形ばかり立派で、実際の役に立たないもののたとえ。▽「陶犬」は陶製の犬。「瓦鶏」は素焼きの鶏。犬には夜の番をする、鶏には夜明けを告げるという役目があるが、作り物ではその役目を果たすことができないことから。「瓦鶏陶犬がけいとうけん」ともいう。
とうどうばつい【党同伐異】
事の道理に関係なく、仲間に味方し、対立する他者を攻撃すること。▽「同おなじきに党むらがり異ことなるを伐うつ」と訓読する。「伐異党同ばついとうどう」ともいう。
とつきとおか【十月十日】
10か月と10日。人の妊娠期間をいう語。 [補説]人の妊娠期間は平均266日くらいといわれる。出産予定日は、WHO(世界保健機関)の指針によって、最終生理日から280日目とされるが、個人差がある。
どくがくころう【独学孤陋】
師も友ももたずにひとりで学問すると、見識がひとりよがりになってかたくなになるからよくないということ。
どくしょさんよ【読書三余】
読書をするのに好都合な三つの余暇。一年のうちでは冬、一日のうちでは夜、時のうちでは雨降りをいう。中国三国時代、魏ぎの董遇とうぐうが勉学する時間がないと嘆く弟子を諭した語。▽「余」はひま・余暇の意。
どくぜんしゅぎ【独善主義】
主観的な判断で、自分一人だけが間違いがなく最善であると考えること。
ないそがいしん【内疎外親】
内心では嫌っていながら、表面上は親しげにすること。▽「内」は内心、「外」は表に現れる態度。「疎」はうとんじる、そばにいたくないと思う意。「親」は親しくすること。
なんせいほくばつ【南征北伐】
多くの戦いを経ること。また、戦いに明け暮れて、いとまのないことのたとえ。▽「征」も「伐」も、戦うこと。「南」「北」は広い地域を行き来することの形容。戦いのために、南へ北へ奔走することを述べた言葉。
なんばんげきぜつ【南蛮鴃舌】
外国人の意味の分からない言葉を、さげすんでいう言葉。▽「南蛮」は南方の人をさげすんで言う語。「鴃舌」はもずの鳴く声。また、もずが鳴き合うように騒ぎ合って、意味が分からないことのたとえ。南方の人の話す調子は、北方の人にはもずが鳴いているかのようにやかましく聞こえ、何を言っているのか分からないと感じられていたことから。
にがびゃくどう【二河白道】
極楽浄土に往生したいと願う人の、入信から往生に至る道筋をたとえたもの。▽仏教語。「二河」は南の火の川と、北の水の川。火の川は怒り、水の川はむさぼる心の象徴。その間に一筋の白い道が通っているが、両側から水火が迫って危険である。しかし、後ろからも追っ手が迫っていて退けず、一心に白道を進むと、ついに浄土にたどりついたという話。煩悩にまみれた人でも、念仏一筋に努めれば、悟りの彼岸に至ることができることを説いている。