かんりてんとう【冠履顛倒】
[名・形動]地位・価値などの上下の順序が乱れること。また、そのさま。「なんぼ—な世の中で」〈魯庵・社会百面相〉
がいかんじてい【蓋棺事定】
人は死んではじめて、その評価が定まるということ。また、生前の評価は利害などがからんでいるので、あてにならないことのたとえ。
がいせいのさい【蓋世之才】
気力や能力、功績などが非常にすぐれていること。またそれをもつ人。その時代を覆い包むほどのすぐれた才能のたとえ。
がくちりこう【学知利行】
人が踏み行うべき人倫の道を後天的に学んで理解し、その正しさを知り認めて、初めて実践すること。人が踏み行うべき人倫の道を認識し、実践していく三つの道程、すなわち、生まれつき先天的にそれをもっている完全な道徳的人間の「生知安行」、生まれつきにはもっていないが、後天的にそれを認識し学んで正しいと知り、初めて実践する「学知利行」、生まれつき聡明そうめいでなく、発憤して心を苦しめ、やっとのことでそれを認識し、一心に努力を重ねて実践する「困知勉行こんちべんこう」のうちの一つ。▽「学知」は人倫の道を先天的でなく学んで知ること。「利行」はよい、また役に立つと認めて実践すること。
がしんしょうたん【臥薪嘗胆】
将来の成功を期して苦労に耐えること。薪の上に寝て苦いきもをなめる意から。▽「臥」はふし寝る意。「薪」はたきぎ。「嘗」はなめること。「胆」は苦いきも。もとは敗戦の恥をすすぎ仇あだを討とうと、労苦を自身に課して苦労を重ねること。
がっしょうれんこう【合従連衡】
その時の利害に従って、結びついたり離れたりすること。また、その時勢を察して、巧みにはかりごとをめぐらす政策、特に外交政策のこと。もとは中国戦国時代、蘇秦そしんの合従策と張儀ちょうぎの連衡策のことをいう。▽「従」は縦たての意。「合従」は南北に連なった趙ちょう魏ぎ韓かん燕えん斉せい楚その六国が、縦の連合をして強国秦しんに対抗する策で、蘇秦が提唱した。「衡」は横の意。「連衡」はこの六か国が秦とおのおの横に同盟を結んで、国を維持しようとした策で、張儀の政策。「従」は「縦」とも書く。
がむしゃら【我武者羅】
一つの目的に向かい、血気にはやって向こう見ずになること。また、他のことはまったく無視して、ひたすらあることをすること。
がんこいってつ【頑固一徹】
非常にかたくなで、一度決めたらあくまでも自分の考えや態度を変えようとしないさま。また、そういう性質。▽「一徹」はかたくなに思い込み強情に押し通すこと。ほぼ同意の熟語を重ねて語意を強めたもの。
がんこうしはい【眼光紙背】
読書の理解力がきわめて鋭いことのたとえ。書物を読んで、その深意をつかみとることにいう。
がんめいふれい【頑冥不霊】
[名・形動]頑固で無知なこと。また、そのさま。「その—な顔に圧制者の相を出し」〈蘆花・思出の記〉