めいてつほしん【明哲保身】
聡明そうめいで道理に明るい人は、危険を避け身を安全に保つ意。また、本来の意味とは異なり、「保身」の意味が誤解されて、自分の身の安全だけを考え、要領よく生きるという意味で使われることもある。▽「明哲」は賢くて物事の道理に明るいこと。また、その人やそのさま。「明哲めいてつ身みを保たもつ」と訓読する。
めんじゅうこうげん【面従後言】
面と向かったときはこびへつらって従うが、陰ではあれこれと悪口を言うこと。▽「面従」は人の面前でだけ従うこと。「後言」は陰で悪口を言うこと。
めんじゅうふくはい【面従腹背】
うわべだけ上の者に従うふりをしているが、内心では従わないこと。▽「面従」は人の面前でだけ従うこと。「腹」は心の中のこと。「背」は背くこと。
もうきふぼく【盲亀浮木】
会うことが非常に難しいこと、めったにないことのたとえ。また、人として生まれることの困難さ、そしてその人が仏、または仏の教えに会うことの難しさのたとえ。▽大海中に棲すみ、百年に一度だけ水面に浮かび上がる目の見えない亀かめが、漂っている浮木のたった一つの穴に入ろうとするが、容易に入ることができないという寓話ぐうわによる。「盲亀浮木に値あう」の略。
もうこふくそう【猛虎伏草】
英雄が世に隠れているたとえ。また、英雄は隠れてはいても、それは一時のことであって、いつかは必ず世に出るということ。▽「猛虎」はたけだけしいとらの意で、英雄のたとえ。「猛虎もうこ草くさに伏ふす」と訓読する。
もずかんじょう【百舌勘定】
みんなでお金を出し合うときに、うまいことを言って、自分ができるだけ払わなくてすむように仕向けること。また、その仕方。
ゆいいつむに【唯一無二】
この世でただ一つしかないこと。他に同類のものがなく、その一つ以外並ぶものがないこと。▽「唯一」「無二」は、ともに二つとないことを表す類義語で、これを重ねて意味を強調した語。
ゆいがどくそん【唯我独尊】
この世で、自分ほど偉いものはいないとうぬぼれること。釈迦しゃかが生まれたときに七歩歩き、一方で天を指し、他方で地を指して唱えたという言葉と伝えられる。この世の中で自分より尊いものはいないという意味。▽「天上天下てんげ唯我独尊」の略。「唯我」はただ自分のみということ。「独尊」は自分だけが一人尊いということ。
ゆうもうかかん【勇猛果敢】
勇ましくて力強く、決断力のあるさま。▽「勇猛」は勇ましく、たけだけしいさま。「果敢」は思いきりがよく勇敢なさま。
ようしつこひ【羊質虎皮】
外見は立派だが、それに伴う実質がないたとえ。実際は羊なのに、とらの皮をかぶっている意から。▽「羊質ようしつにして虎皮こひす」と訓読する。また、「虎皮羊質こひようしつ」ともいう。