せんそうあめい【蝉噪蛙鳴】
蝉(せみ)や蛙(かえる)がうるさく鳴き騒ぐこと。転じて、騒がしいばかりで、何の役にも立たないことや、議論・文章のへたなことのたとえ。蛙鳴蝉噪。「—の論」
ぜんじょうほうばつ【禅譲放伐】
古代中国で、王朝が交替するときの二つの方法のこと。▽「禅譲」は君主が徳の高い人物に帝位を譲ること。「放伐」は悪逆で帝位にふさわしくない君主を有徳の人物が討伐すること。太古には理想の禅譲が行われていたが、後には帝位を奪い取る際に、形ばかり禅譲の形をとることも行われた。
たいげんたいく【滞言滞句】
言葉にばかりこだわっていて、生きた真実が理解できないこと。▽もと仏教語。「滞」はこだわる意。「言」「句」はともに言葉のこと。
たかねのはな【高嶺之花】
高い峰に咲く花のように、遠くから眺めるばかりで、手にすることのできないものや人。手が出ないほど高価な品やうっとりと見つめるばかりで近づきがたい美女など。
たぞうこうぼう【多蔵厚亡】
財物をたくさん貯えることは、必ず巨大な損失につながる意。欲が深いと人間関係が駄目になって、やがては財物ばかりかすべてを失ってしまうというたとえ。▽「多蔵」はたくさん貯えること。「厚亡」は損失が大きい意。一般に「多おおく蔵ぞうすれば厚あつく亡うしなう」と訓読を用いる。
ちくしつどうぼう【築室道謀】
余計な意見ばかり多くてまとまらず、物事がなかなか完成しない、また、結局失敗することのたとえ。▽「築室」は家を建てること。「道謀」は道を行き来する人に相談すること。家を建てようとして道行く人に相談していると、いろいろな意見があって一定の見解がなく、決着できないことから。
てまえがって【手前勝手】
[名・形動]自分の都合のよいようにばかり考えたり行動したりすること。また、そのさま。自分勝手。「そんな—な意見は通らない」
とうけんがけい【陶犬瓦鶏】
形ばかり立派で、実際の役に立たないもののたとえ。▽「陶犬」は陶製の犬。「瓦鶏」は素焼きの鶏。犬には夜の番をする、鶏には夜明けを告げるという役目があるが、作り物ではその役目を果たすことができないことから。「瓦鶏陶犬がけいとうけん」ともいう。
ひんじゃのいっとう【貧者一灯】
貧しい者のわずかばかりの心のこもった寄進は、金持ちの豪勢な寄進にまさるということ。真心のこもった行いの尊いことのたとえ。
むがむちゅう【無我夢中】
ある事にすっかり心を奪われて、我を忘れてしまうさま。▽「無我」はもと仏教語。自分に捕らわれる心を超越した心。そこから自分を忘れる意。「夢中」は物事にすっかり熱中して、他のことを考えられない状態。