せんりのけつげん【千里結言】
遠方にいる友人と約束した言葉。▽「千里」は道のりの非常に遠いこと。「里」は距離の単位。中国の一里は時代によって異なるが、およそ五百メートル前後。「結言」は言葉によって約束をすること。
そうこほうし【桑弧蓬矢】
桑でできた弓と、よもぎでできた矢のこと。男子が志を立てるたとえ。また、その遠大な志のたとえ。▽「弧」は弓。古代中国の諸侯は、男児が生まれると「桑弧」で「蓬矢」を天地四方に向けて射て、将来世の中に大きく羽ばたいてほしいと願ったことから。
たいざんふくん【泰山府君】
中国の泰山の神。道教で人の寿命・福禄ふくろくをつかさどる神とされる。仏教と習合し十王の一人に数えられ、閻魔えんま王の太子とも、その書記ともいう。▽「府君」はここでは神の名。日本では素戔鳴尊すさのおのみことと同一視されて、陰陽家おんみょうかでまつられる。「泰」は「太」とも書く。「府」は「ぶ」とも読む。
だんぱつぶんしん【断髪文身】
野蛮な風習のこと。▽「断髪」は髪を短く切ること。「文身」は刺青いれずみのこと。古代中国の呉越ごえつ一帯の風習。
ちょうあんにっぺん【長安日辺】
遠い場所のたとえ。また、才知に富んでいるたとえ。▽「長安」は中国の西安市の古名。多くの王朝の都となった都市。「日辺」は太陽のあるあたり。
ちょうしんぼそ【朝秦暮楚】
ふらふらして住所が定まらず、流浪するたとえ。朝には中国の西部にある秦にいて、暮れには南部にある楚にいるということから。また、朝には秦国に頼り、暮れには楚国に頼るという、主義・主張が一定でないたとえの意味に使われることもある。▽「暮楚朝秦ぼそちょうしん」ともいう。
てんちかいびゃく【天地開闢】
天と地ができた世界の始まり。世界の初め。▽「開闢」は開き分かれること。古代中国では混沌こんとんとした一物が二つに分かれて天と地となり、世界が始まったと考えられていた。
とうえんけつぎ【桃園結義】
中国の小説『三国志演義さんごくしえんぎ』の中で、主人公の劉備玄徳りゅうびげんとく関羽かんう張飛ちょうひの三英雄が、張飛の家の桃畑で義兄弟の契りを結んだこと。のちに、義兄弟の契りとも呼ばれ、力を合わせて事にあたることを意味するようになった。▽「桃園とうえんに義ぎを結むすぶ」と訓読する。
なんざんふらく【南山不落】
永遠に崩れ落ちないこと。城や要塞ようさいなどが非常に堅固で、陥落しがたいことを述べた言葉。▽「南山」は中国の長安ちょうあんの南にある終南山しゅうなんざんのこと。堅固で崩壊しない物事のたとえに用いられる。「不落」は陥落しないこと。
なんせんほくば【南船北馬】
全国を忙しく旅行すること。また、絶えず旅をしてせわしないこと。▽「南船」「北馬」は中国の交通手段。南は川が多いので船が用いられ、北は山が多く、馬をよく用いた。そうした移動手段に絶えず乗っていることから、頻繁に旅をする意。