たくげんたくこう【択言択行】
善悪を区別して選び抜かれるべき言葉と行いのこと。「択言択行無し」と用いられ、善悪の区別をつける必要のない言行の意で、すべて道理にかなった立派な言行のこと。また、選択された言葉や行い。▽「択」は善悪を区別して、よいものを選びとる意。
とうどうばつい【党同伐異】
事の道理に関係なく、仲間に味方し、対立する他者を攻撃すること。▽「同おなじきに党むらがり異ことなるを伐うつ」と訓読する。「伐異党同ばついとうどう」ともいう。
どんしゅうのうお【呑舟之魚】
常人をはるかに超えた才能をもつ大物。大人物。善人・悪人ともに用いる。▽「呑舟」は舟を飲み込むこと。舟を飲み込んでしまうほどの大きな魚の意味。
はっこくぶんめい【白黒分明】
善悪などの区別がはっきりしているさま。▽「白黒」は善悪・正邪・是非などの意。「分明」は明白なこと。
ばんぶつせいどう【万物斉同】
人の認識は善悪・是非・美醜・生死など、相対的概念で成り立っているが、これを超越した絶対の無の境地に立てば、対立と差別は消滅し、すべてのものは同じであるとする説。人の相対的な知を否定した荘子そうしの思想。▽「斉」は等しい意。
へんげんせつごく【片言折獄】
ただ一言で人々の納得のいくような裁判の判決を下すこと。また、一方だけの言い分を信じて、裁判の判決を下すこと。▽「片言」は一言での意。また、後者の意のときは、一方だけの言い分の意。「折」は「断」と同義で、善悪を折中して判決を下すこと。「獄」は訴訟のこと。「片言へんげん獄ごくを折さだむ」と訓読する。
ろくどうりんね【六道輪廻】
この世に生きるすべてのものは、六道の世界に生と死を何度も繰り返して、さまよい続けるということ。▽仏教語。「六道」は生前の行為の善悪によって、死後に行き先が決まる六つの世界(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上)。「輪廻」は、車輪が回転してきわまりないように、霊魂は不滅で死後また生まれ変わるという考え方。