きょじつひまく【虚実皮膜】
芸は実と虚の境の微妙なところにあること。事実と虚構との微妙な境界に芸術の真実があるとする論。江戸時代、近松門左衛門ちかまつもんざえもんが唱えたとされる芸術論。▽「虚実」はうそとまこと。虚構と事実。「皮膜」は皮膚と粘膜。転じて、区別できないほどの微妙な違いのたとえ。「膜」は「にく」とも読む。
りゅうとうげきしゅ【竜頭鷁首】
天子や貴人の乗る船。また、立派な船。竜の彫り物や鷁の頭を船首・船側につけた船。風流を楽しむ船。▽「鷁」は水鳥の名。風波に耐えてよく飛ぶところから水難よけとされる。「竜」は「りょう」、「首」は「す」とも読む。
りょくりんはくは【緑林白波】
泥棒・盗賊のこと。また、その潜伏場所をいう。▽中国新の王莽おうもうが天下を支配していたとき、緑林山に無頼の徒が立てこもり、そこを拠点にして強盗を働いていた。また、後漢ごかんの時代に張角ちょうかくを主領とし、頭に黄色の布切れをつけた黄巾こうきんの賊が白波谷を拠点として乱を起こしたことから、このような表現が生まれた。