いっかけんぞく【一家眷属】
家族および家族と血縁関係にある者。一族。家臣・従者を含めることもある。またある流派に属する人々。
くんしふき【君子不器】
器物はある用途にのみ有効であるが、君子はそうした一能一芸にのみすぐれるのではなく、広く何事にも通用する才能をもつということ。▽「君子」は教養や徳の高い立派な人。人格者。一般に「君子くんしは器きならず」と訓読を用いる。
せいじんくんし【聖人君子】
立派な人徳やすぐれた知識・教養を身につけた理想的な人物。▽「聖人」は最高の人格を備えた人。「君子」は学識・人格のすぐれた人。
せいどくようこう【聖読庸行】
立派な内容の書物を読んでいながら、いざ行動するとなると、平凡であること。▽「聖読」は聖人が書を読むこと。「庸」は平凡なこと。
そうじんぼっかく【騒人墨客】
詩を作ったり書画をたしなんだりする風流な文人のこと。▽「騒人」は「離騒りそう」の作者で楚その詩人屈原くつげんおよびその一派のこと。転じて、広く詩人を指す言葉となった。また、風流を解する人の意。「墨客」は書画や文筆に巧みな人。「客」は「きゃく」とも読む。
たくげんたくこう【択言択行】
善悪を区別して選び抜かれるべき言葉と行いのこと。「択言択行無し」と用いられ、善悪の区別をつける必要のない言行の意で、すべて道理にかなった立派な言行のこと。また、選択された言葉や行い。▽「択」は善悪を区別して、よいものを選びとる意。
なんとほくれい【南都北嶺】
奈良と比叡山ひえいざんのこと。また、奈良の興福寺こうふくじと比叡山の延暦寺えんりゃくじのこと。▽「南都」は奈良のこと。奈良には仏教の大きな派閥が六つあったが、法相宗ほっそうしゅう興福寺はその代表。「北嶺」は比叡山のこと。延暦寺の僧兵は山法師、興福寺の僧兵は奈良法師として権勢を振るった。
にくじきさいたい【肉食妻帯】
僧侶そうりょが肉を食べ、妻をめとること。▽僧侶は殺生をしてはならず、禁欲生活を送るべきものであるという考え方から、かつて浄土真宗以外の宗派ではこれを禁じていた。「食」は「しょく」とも読む。
ひゃくれんせいこう【百錬成鋼】
いくたびも心身を鍛錬することによって、はじめて立派な人物になるのだということ。また、意志などが強固なことのたとえ。▽「百錬」は何度も鍛える、鍛えに鍛えること。「成鋼」は鋼はがねになる意。鋼は錬成に錬成してやっとできるものだという意から。「百錬ひゃくれん鋼こうを成なす」と訓読する。「錬」は「煉」とも書く。
ひゃっかりょうらん【百花繚乱】
いろいろの花が咲き乱れること。転じて、秀でた人物が多く出て、すぐれた立派な業績が一時期にたくさん現れること。▽「百花」は種々の多くの花、いろいろな花の意。「繚乱」は花などがたくさん咲き乱れている様子。いろいろな花が、はなやかに美しく咲き乱れることから。