いしんでんしん【以心伝心】
文字や言葉を使わなくても、お互いの心と心で通じ合うこと。▽もとは禅宗の語で、言葉や文字で表されない仏法の神髄を、師から弟子の心に伝えることを意味した。「心こころを以もって心こころに伝つたう」と訓読する。
いちじふせつ【一字不説】
仏法の真理は奥深く、言葉で言い表すことはできないし、言葉を通して得られるものでもなく、自ら体得することによってのみ悟ることができるということ。釈迦しゃかが悟り得た境地を説くにも、直接実相を説き尽くすことはできず、真理は一字も説いていないという意から。▽仏教語。「不説一字ふせついちじ」ともいう。
かつぜんたいご【豁然大悟】
疑い迷っていたことが、からっと開け解けて真理を悟ること。▽「豁然」は、からっと開けるさま。「大悟」は大いに悟る、真理を悟ること。「豁然」は仏教用法のとき「かつねん」とも読む。「大」は「だい」とも読む。
しんぞくにたい【真俗二諦】
仏語。真諦と俗諦。浄土真宗では、仏法を真諦、王法を俗諦として相依(そうえ)相資の関係にあるとする。
せいしんせいい【誠心誠意】
このうえないまごころ。まごころのこもるさま。打算的な考えをもたず、まごころこめて相手に接する心をいう。▽「意」は考え・気持ち。
ちこうごういつ【知行合一】
知識と行為は一体であるということ。本当の知は実践を伴わなければならないということ。▽王陽明が唱えた陽明学の学説。朱熹しゅきの先知後行説に対したもの。
ちしゃふげん【知者不言】
物事の道理をわきまえる真の知識者は、それを軽々しく口にはしないものだということ。
てんいむほう【天衣無縫】
物事に技巧などの形跡がなく自然なさま。天人・天女の衣には縫い目がまったくないことから、文章や詩歌がわざとらしくなく、自然に作られていて巧みなこと。また、人柄が飾り気がなく、純真で無邪気なさま、天真爛漫らんまんなことをいう。また、物事が完全無欠である形容にも用いられることがある。▽「天衣」は天人・天女の着物。「無縫」は着物に縫い目のないこと。「無縫天衣むほうてんい」ともいう。
とんとくきょせい【敦篤虚静】
他人に対しては真心が厚く、名誉や利益に関しては恬淡てんたんとしていること。
にょほうあんや【如法暗夜】
本当の暗闇くらやみのこと。真っ暗な状態のこと。▽「如法」はここでは、どこから見ても、もちろんの意。どこから見ても、全くの闇夜であるということ。