がくちりこう【学知利行】
人が踏み行うべき人倫の道を後天的に学んで理解し、その正しさを知り認めて、初めて実践すること。人が踏み行うべき人倫の道を認識し、実践していく三つの道程、すなわち、生まれつき先天的にそれをもっている完全な道徳的人間の「生知安行」、生まれつきにはもっていないが、後天的にそれを認識し学んで正しいと知り、初めて実践する「学知利行」、生まれつき聡明そうめいでなく、発憤して心を苦しめ、やっとのことでそれを認識し、一心に努力を重ねて実践する「困知勉行こんちべんこう」のうちの一つ。▽「学知」は人倫の道を先天的でなく学んで知ること。「利行」はよい、また役に立つと認めて実践すること。
さつげんかんしき【察言観色】
人の言葉をよく察し、顔つきをよく観察してあざむかれず、人の性質や考え方を見抜くこと。また、人の言葉をよく聞き分け、人の顔色を見抜く聡明そうめいさをいう。▽「言」は言葉。「色」は顔つき・顔色。「言げんを察さっして色いろを観みる」と訓読する。
せいめいきょうかん【精明強幹】
物事をよくわきまえていて、仕事をてきぱきとさばく能力の高いさま。聡明でよく仕事ができること。また、身心ともに健全な人。▽「精明」は物事にくわしく明らかなさま。「強幹」は仕事をやり遂げる能力のすぐれている意。
せんけんのめい【先見之明】
将来を見通す眼力。先を見越して、あらかじめ準備したりする能力、聡明さ。
ほうおううひ【鳳凰于飛】
①おおとりの雌雄のように、夫婦が仲むつまじいこと。②鳳凰が飛ぶと他の鳥も従って飛ぶ意から、聡明な天子のもとに、賢者が多く集まることのたとえ。
むみょうじょうや【無明長夜】
根本的な聡明そうめいさに欠けるため、衆生しゅじょうが煩悩にとらわれ、真理を得にくいこと。悟りの境地に達しないこと。このことを、明けることのない長い夜にたとえた。▽仏教語。「無明」は衆生を迷わせる煩悩があるために、物事の真理が見えず、仏道にくらいこと。「長夜」は長い間、長い時間にわたっての意。
めいてつほしん【明哲保身】
聡明そうめいで道理に明るい人は、危険を避け身を安全に保つ意。また、本来の意味とは異なり、「保身」の意味が誤解されて、自分の身の安全だけを考え、要領よく生きるという意味で使われることもある。▽「明哲」は賢くて物事の道理に明るいこと。また、その人やそのさま。「明哲めいてつ身みを保たもつ」と訓読する。