ひけんしつえい【被堅執鋭】
堅固なよろいを身にまとい、鋭利な武器を持つこと。多く将軍が自ら前線で敵に当たる意に用いられた。▽「被堅」は堅いよろいを身につけること。「執鋭」は鋭い武器を持つこと。「被」は「披」とも書く。また「執」は「しゅう」とも読む。「堅けんを被こうむり鋭えいを執とる」と訓読する。
ひけんずいしょう【比肩随踵】
次々に続いて絶え間のないさま。多くの人があとからあとへと続くさま。▽「比肩」は肩を並べる意。「踵」はかかと。「随踵」はかかとを接して続くこと。「肩かたを比ならべ踵かかとに随したがう」と訓読する。
ひゃくせんきかい【百川帰海】
多くの離ればなれになっているものが、一か所に集まること。また、人心や大勢が向かうところ。多くの人々の気持ち・考えが一致すること。▽「百川」はあらゆる川。すべての川が最終的には海に注ぎ込む意から。「百川ひゃくせん海うみに帰きす」と訓読する。
ふんきんしゃかく【焚琴煮鶴】
琴を焼いてつるを煮る意で、殺風景なこと。また、風流心のないことのたとえ。▽「焚」は焼く意。「琴ことを焚やき鶴つるを煮にる」と訓読する。
ぶんじゅうじじゅん【文従字順】
文章が思いに従ってよどみなく、よく筋が通って分かりやすいこと。文章表現が分かりやすく、文字遣いに無理がなく自然なこと。▽「文ぶん従したがい字じ順したがう」と訓読する。
ぶんぷうそうたん【聞風喪胆】
評判やうわさを聞いて、びっくりして肝をつぶすこと。ひどく恐れることの形容。▽「風」は風の音。また、うわさ。「喪胆」は胆を失う、びっくりすること。「風ふうを聞ききて胆きもを喪うしなう」と訓読する。
へんげんせつごく【片言折獄】
ただ一言で人々の納得のいくような裁判の判決を下すこと。また、一方だけの言い分を信じて、裁判の判決を下すこと。▽「片言」は一言での意。また、後者の意のときは、一方だけの言い分の意。「折」は「断」と同義で、善悪を折中して判決を下すこと。「獄」は訴訟のこと。「片言へんげん獄ごくを折さだむ」と訓読する。
へんぷくしゅうしょく【辺幅修飾】
体裁を繕うこと。また、うわべや外見を飾り見栄を張ること。布の縁をかがって、ほころびのないようにする意から。▽「辺幅」は布地のへり、縁。転じて、外見の意。「修飾」は繕い飾ること。「辺幅へんぷくを修飾しゅうしょくす」と訓読する。「修飾辺幅しゅうしょくへんぷく」ともいう。
ほうけいふうそう【飽経風霜】
厳しい世の中の苦労を味わい尽くして、世渡り上手で、したたかなこと。▽「飽経」は飽きるほど経験する意。「風霜」は厳しいもの、困難や苦労のたとえ。「風霜ふうそうを飽経ほうけいす」と訓読する。
ぼうおんふぎ【忘恩負義】
恩義を忘れて義理に背くこと。▽「負」は背く、裏切る意。一般に「恩おんを忘わすれ義ぎに負そむく」と訓読を用いる。