くびぞくちょう【狗尾続貂】
劣った者がすぐれた者のあとを続けるたとえ。すぐれた者に粗悪な者が続くたとえ。もと官爵をみだりに出すのをののしる語。犬のしっぽをてんの代わりにして続ける意から。▽「狗」は犬。「貂」はてん。イタチ科の獣。毛皮が珍重され、高官はてんの尾で飾った冠をつけた。「狗」は「こう」とも読む。
くんしばんねん【君子万年】
君子は長寿であること。長寿を祈る語としても用いられる。▽「君子」は教養や徳の高い立派な人。人格者。「万年」は一万年で、長い年月。「万」は「まん」とも読む。
けんどちょうらい【捲土重来】
一度敗れたり失敗したりした者が、再び勢いを盛り返して巻き返すことのたとえ。巻き起こった土煙が再びやって来る意から。▽「捲土」は土煙が巻き上がることで、勢いの激しいことのたとえ。「重来」は再びやって来ること。もとは一度敗れた軍が再び勢いを盛り返して攻めて来ることをいった。「捲」は「巻」とも書く。また、「重」は「じゅう」とも読む。
けんろのぎ【黔驢之技】
自分の稚拙な腕前を自覚せずに示して恥をかくこと。また、見かけ倒しの劣った腕前・技量。▽「黔」は地名。黔州けんしゅう。今の中国貴州省。「驢」はろば。「技」は「わざ」とも読む。
げんぜりやく【現世利益】
信仰した結果がこの世において実り、欲望が達せられるということ。▽仏教語。「現世」は「げんせ」「げんせい」とも読む。
こうどうきちにち【黄道吉日】
すべてのことをするのによい日。日柄のよい日。星占いの説で、青竜・明堂など六辰りくしん(六つの星で吉の神)が当たる日をいい、何をするにも吉であるとされる。わが国の陰陽道おんようどうでもいう。▽「黄道」は地球から見て、太陽が運行するように見える軌道。「吉日」は「きちじつ」「きつじつ」「きつにち」とも読む。略して「黄道日こうどうじつ」ともいう。
こうらんしんしき【洽覧深識】
見聞がきわめて広く博識なさま。▽「洽覧」はあまねく見ること。書物をあまねく読むこと。「深識」は知識が深いこと。いずれも見聞や知識が広く深いことをいう。
こおうこんらい【古往今来】
昔から今に至るまで。昔から。▽「古往」は昔。いにしえ。「今来」は今に至るまで。「今来」は「きんらい」とも読む。また、「今来古往こんらいこおう」ともいう。
さいかきっすい【採菓汲水】
厳しい仏道修行のたとえ。仏に供えるため、木の実を採り、花を摘み、水を汲くむ意から。▽仏教語。「菓」は木の実。「菓かを採とり水みずを汲くむ」と訓読する。「菓」は「果」「花」とも書き、「汲」は「ぎっ」「きゅう」とも読む。
さいしょくけんび【才色兼備】
すぐれた才能と美しい容姿の両方をもっていること。多くは女性についていう。▽「才色」は才知・才能と顔かたちのこと。「兼備」は兼ね備えること。「色」は「しき」「そく」とも読む。