どくしょさんよ【読書三余】
読書をするのに好都合な三つの余暇。一年のうちでは冬、一日のうちでは夜、時のうちでは雨降りをいう。中国三国時代、魏ぎの董遇とうぐうが勉学する時間がないと嘆く弟子を諭した語。▽「余」はひま・余暇の意。
ないゆうがいかん【内憂外患】
国内の心配事と、外国との間に生じるやっかいな事態。内にも外にも憂慮すべき問題が多いこと。▽「内」は国内、「外」は国外、「憂」「患」はともに憂えるの意。もとは国内外に解決すべきやっかいな問題が山積みしていることを表したが、現在では会社組織などの様子を表すときにも広く用いられる。
なんきつほくき【南橘北枳】
人間は住む環境によって、よくなったり悪くなったりするということ。▽中国江南こうなんで産する橘たちばなはたいへんな美味であるが、淮水わいすい以北に植えると橘は枳からたちとなり、味が全く異なってしまう。環境が変われば性質も変わってしまう、という意。
はくじつしょうてん【白日昇天】
昼間に天に昇る意。転じて、仙人になること。また、急に富貴になる、急に出世すること。▽「白日」は昼間。また、輝く太陽。
ひけんずいしょう【比肩随踵】
次々に続いて絶え間のないさま。多くの人があとからあとへと続くさま。▽「比肩」は肩を並べる意。「踵」はかかと。「随踵」はかかとを接して続くこと。「肩かたを比ならべ踵かかとに随したがう」と訓読する。
ふへんだとう【普遍妥当】
どんなものにも、どんなときにも適切に当てはまるさま。時間や空間などのどんな条件下でも、すべてのものに共通して当てはまることをいう。▽「普遍」はすべてのものに共通していること。「妥当」は適切に当てはまること。
みょうもんりよう【名聞利養】
世間の名声を得たいという欲望と、財産を蓄えたいという欲望。▽仏教語。「名聞」は世俗の評判、「利養」は財産を作り、生活を豊かにすること。仏教の五欲(財欲・色欲・飲食欲・名誉欲・睡眠欲)のうちの二つ。
みらいえいごう【未来永劫】
これから未来にわたる、果てしなく長い年月。永遠。▽仏教語。「未来」は将来のこと。「永劫」は想像できないほど長い時間を表す。「未来」を添えて意味を強めた語。仏教では「永」は「よう」とも読む。
むいしぜん【無為自然】
人の手を加えないで、何もせずあるがままにまかせること。▽老子や荘子そうしの思想を指す言葉。「無為」は何もせず、人の手を加えないこと。「自然」は人間の手が加わっていないもともとの姿の意。あるがまま。
むいとしょく【無為徒食】
何もしないで、ただ無駄に毎日を過ごすこと。意味もなく時間を費やすこと。▽「無為」は何もせず、人の手を用いないこと。「徒食」は働くこともせず、無駄に日を送ること。