いしんでんしん【以心伝心】
文字や言葉を使わなくても、お互いの心と心で通じ合うこと。▽もとは禅宗の語で、言葉や文字で表されない仏法の神髄を、師から弟子の心に伝えることを意味した。「心こころを以もって心こころに伝つたう」と訓読する。
いってきせんきん【一擲千金】
一時に惜しげもなく大金を使うこと。大事を思い切りよく実行すること。豪快な振る舞いや思い切りのよいたとえ。一度の賭かけに惜しげもなく大金を賭ける意から。▽「擲」は投げる、投げ出す意。「千金一擲せんきんいってき」ともいう。
いばんじゅうてき【夷蛮戎狄】
中国の周辺部の異民族の総称。四方のえびす。「東夷とうい、西戎せいじゅう、南蛮なんばん、北狄ほくてき」を略したもので、四方それぞれの方角の異民族の名称。▽漢民族が異民族を卑しんで用いた語。
えいえいむきゅう【永永無窮】
いつまでも永遠に果てることなく続くさま。長く続いてきわまりないさま。時の果てしなく長いたとえ。▽「永永えいえいとして窮きわまり無なし」と訓読する。
えいじはっぽう【永字八法】
書法伝授法の一つ。「永」の一字に楷書かいしょの基本である八種の点画が含まれているとして、「永」の字を用いてその用筆法を示したもの。長く書の教えとされてきた。▽「八法」は書法における用筆の八つの法で、側そく勒ろく努ど趯てき策さく掠りゃく啄たく磔たくのこと。
えっちょうなんし【越鳥南枝】
中国南方の越の国から渡ってきた鳥は、巣を作るとき故郷を思って南の枝にとまるという意から、故郷を懐かしみ忘れがたく思う気持ちのたとえ。また、望郷の念にかられること。
かぶんしょうけん【寡聞少見】
見識が狭いこと。また、世間知らずなこと。自分を謙遜けんそんするときによく用いる。▽「寡」は少ない意。「寡聞」は見聞の狭いこと。見聞きしてきたものが少ないということ。
きゅうちょうにゅうかい【窮鳥入懐】
窮地に陥った人が助けを求めてくること。窮地に陥った人が助けを求めてきたら、見捨てずに救うのが人の道だということのたとえ。
くおんじつじょう【久遠実成】
仏語。法華経(ほけきょう)思想の一。釈迦仏がこの世に生まれたのは仮の姿にすぎず、永遠の昔に悟りを開き成仏して限りない時間を人々の教化に尽くしてきたと説くもの。久成正覚(くじょうしょうがく)。
けいぎょくのかん【桂玉之艱】
よそから物価の高い都会に来て、生活難に悩みながら暮らすことのたとえ。また、都会に出てきて苦学することのたとえ。