とうせんききょ【陶潜帰去】
陶潜は世俗の煩わしさを嫌い、官を辞して故郷に帰った。このとき名文の「帰去来辞ききょらいのじ」を作ったという故事を四字句にしたもの。▽「陶潜」は東晋とうしんの詩人。字あざなは淵明えんめい。自然を愛し、叙景詩にすぐれたので田園詩人と呼ばれた。『蒙求もうぎゅう』の一句。
とうぜんしごく【当然至極】
どう考えてもあたりまえであるということ。
とうだいずいいち【当代随一】
現代で最もすぐれているということの形容。
とうとうほうり【投桃報李】
桃が贈られてくれば、そのお礼にスモモを贈り返す意で、友人間の贈答のこと。また、自分が善を施せば、相手も善で報いるということ。
とうりせいけい【桃李成蹊】
桃やスモモの木の下には、実の美味しさに惹ひかれて集まって来る人たちによって自然に道ができてしまうように、高徳な人のまわりには自然に人が集まって来るということ。
とうりょうせいし【等量斉視】
すべての人々を差別せず、平等に扱うこと。▽「等」も「斉」もひとしいの意。すべての人に対して平等に量はかり、平等に視みるということ。「等ひとしく量はかり斉ひとしく視みる」と訓読する。
とくぎょぼうせん【得魚忘筌】
魚を捕ってしまうと、その道具の筌やなのことなど忘れてしまうということ。転じて、目的を達すると、それまでに役立ったものを忘れてしまうことのたとえ。▽「筌」は水中に沈めて魚を捕る竹かごのこと。一般に「魚うおを得えて筌せんを忘わする」と訓読を用いる。
とそううひ【兎走烏飛】
歳月のあわただしく過ぎ去るたとえ。月日の速く過ぎるたとえ。▽「烏」は日(太陽)、「兎」は月を意味し、転じて、月日・歳月のたとえ。太陽に三本足のからすがすみ、月にうさぎがすむという中国古代の伝説による。「烏飛兎走うひとそう」ともいう。
とつげんびんこう【訥言敏行】
徳のある人は、口数は少なく、行動に敏速であるものだということ。▽「訥言」は口べたの意。「敏行」は行いを敏速にすること。「言げんに訥とつにして行おこないに敏びんなり」と訓読する。
とりょうのぎ【屠竜之技】
竜を葬る技。竜は架空の動物であるから、そんな技を磨くのは無意味であるということ。転じて、立派な学問を学んで身につけても、実際に役に立たなくては無意味であるたとえ。