とうせん-ききょ【陶潜帰去】
陶潜は世俗の煩わしさを嫌い、官を辞して故郷に帰った。このとき名文の「帰去来辞ききょらいのじ」を作ったという故事を四字句にしたもの。▽「陶潜」は東晋とうしんの詩人。字あざなは淵明えんめい。自然を愛し、叙景詩にすぐれたので田園詩人と呼ばれた。『蒙求もうぎゅう』の一句。
- 出典
- 『晋書しんじょ』陶潜伝とうせんでん
- 句例
- 陶潜帰去の思い、陶潜帰去にならう
- 故事
- 陶潜は彭沢ほうたくの県令(長官)となったとき、巡察の役人には礼装して応対しなければならないと聞き、五斗米の俸禄ほうろく(わずかな俸給の意)のために腰を折ることはできないと、職を辞して帰郷し、「帰去来辞」を書いたという故事による。