えんまんぐそく【円満具足】
十分に満ち足りていて、少しも不足がないこと。▽「円満」「具足」とも、十分に備わっていること。
かんぜんむけつ【完全無欠】
欠点や不足がまったくないさま。完璧かんぺきなさま。▽「無欠」は欠けたところがないこと。ほぼ同意の熟語を重ねて意味を強めたもの。
きけんしんし【貴顕紳士】
身分が高く、名声もあり、人格的にもすぐれている紳士。
きんせいぎょくしん【金声玉振】
才知や人徳が調和して、よく備わっているたとえ。すぐれた人物として大成することをいう。本来、鐘を鳴らして音楽を始め、磬けいを打って音楽をまとめ収束する意。▽「金」は鐘。「声」はここでは鳴らす意。「玉」は磬のことで、玉石で作った「へ」の字に曲がった打楽器。「振」はまとめ収めること。一説に整える意。「玉振」は磬を鳴らして曲をしめくくること。中国古代で音楽を奏するのに、まず鐘を鳴らして音楽を始め、次に糸・竹の楽器を奏でて、終わりに磬を打ってしめくくった。始まりと終わりの整っているさまをいい、もと孟子もうしが孔子の人格を賛美した語。
くんしばんねん【君子万年】
君子は長寿であること。長寿を祈る語としても用いられる。▽「君子」は教養や徳の高い立派な人。人格者。「万年」は一万年で、長い年月。「万」は「まん」とも読む。
くんしひょうへん【君子豹変】
君子が過ちを改めて善に移るのは、ひょうの皮のまだら模様のように非常にはっきりしているということ。転じて、現在では主張や態度が急にがらりと変わることをいう。また、その無節操ぶりを非難する語。▽「君子」は教養や徳の高い立派な人。人格者。「豹変」は季節によってひょうのまだら模様が美しくなることから、主張や態度などが急に変わること。
くんしふき【君子不器】
器物はある用途にのみ有効であるが、君子はそうした一能一芸にのみすぐれるのではなく、広く何事にも通用する才能をもつということ。▽「君子」は教養や徳の高い立派な人。人格者。一般に「君子くんしは器きならず」と訓読を用いる。
じじょうまれん【事上磨錬】
実際に行動や実践を通して、知識や精神を磨くこと。明みん代の王守仁おうしゅじん(陽明ようめい)が学問の修養について、日常の行為を離れて思索する静座に対して、実際の日常の行動をこなし、これを通して修養するのが真の学問であると述べた説。▽「事上」は実際のことに当たりながらの意。「磨錬」は練り磨く意。
せいじんくんし【聖人君子】
立派な人徳やすぐれた知識・教養を身につけた理想的な人物。▽「聖人」は最高の人格を備えた人。「君子」は学識・人格のすぐれた人。
せんちせんがく【先知先覚】
衆人よりも先に道理を知ることができること。また、その人。▽「先知」も「先覚」も普通の人よりも先に道理を知り、悟ること。「覚」は何かに気がついて、そのことを理解すること。