せいかりょうげん【星火燎原】
最初は小さな力でも、放って置くと手がつけられなくなること。反乱や一揆が広がって防ぎきれなくなること。星の光のように小さな火でも、燃え広がると原野を焼き尽くすという意味。
せきうちんしゅう【積羽沈舟】
小さなものであっても、たくさん集まれば大きな力となるというたとえ。羽毛のように軽いものも、多く積もれば舟を沈める重さになる意から。▽「積羽せきう舟ふねを沈しずむ」と訓読する。
そうりんいっし【巣林一枝】
小さい家に満足すること。分相応の暮らしに満足すること。不必要に他の物まで求めようとせず、分相応を守るたとえ。鳥は木のたくさんある林に巣を作っても、自分で使うのは一本の枝だけであるという意から。▽「巣林」は林に巣を作ること。「一枝巣林いっしそうりん」ともいう。
そくじいっぱい【即時一杯】
その場で飲む一杯の酒。後で大きなものを得るよりも、小さなものを今もらうほうがよいということ。
そくてんきょし【則天去私】
小さな私にとらわれず、身を天地自然にゆだねて生きて行くこと。▽「則天」は天地自然の法則や普遍的な妥当性に従うこと。「去私」は私心を捨て去ること。夏目漱石そうせきが晩年に理想とした境地を表した言葉で、宗教的な悟りを意味するとも、漱石の文学観とも解されている。「天てんに則のっとり私わたくしを去さる」と訓読する。
ぞくさんへんち【粟散辺地】
粟粒あわつぶを散らしたような辺境の小国。▽「粟散」は粟散国(粟のように散在する小国)のこと。「辺地」は最果ての地。特に日本人自身が、日本のことを中国やインドと対照させて、このように表現するときがある。「辺地粟散へんちぞくさん」ともいう。
たいきしょうよう【大器小用】
大きな器を小さなことに用いるということから、大人物につまらない仕事をさせること。すぐれた才能の持ち主でありながら、低い地位にしか用いられないこと。人材の用い方が当を得ていないことのたとえ。▽「大器」は大きな器量。また、偉大な人物のこと。
たいざいしょうよう【大材小用】
大きな材料を小さなことに用いる意から、偉大な人材につまらない仕事をさせること。
たいしょこうしょ【大所高所】
個々の細部にとらわれない大きな観点のこと。偏見や私情を捨てた広い視野をいう。▽「大所」は大きな立場。
だいどうしょうい【大同小異】
だいたいは同じだが、細かい点に違いのあること。似たりよったり。大差のないこと。▽「大同」はだいたい同じであること。「小異」はごくわずかな違いの意。