てんそんこうりん【天孫降臨】
記紀きき(『古事記』と『日本書紀』)の神話の中で、孫の天津彦彦火瓊瓊杵尊あまつひこひこほににぎのみことが国土平定のため、天照大神あまてらすおおみかみの命を受けて、高天原たかまがはらから日向国ひゅうがのくに(今の宮崎県)の高千穂たかちほ峰に天下ったこと。▽「天孫」は天照大神の孫の瓊瓊杵尊のこと。「降臨」は神仏が天界から地上に天下ること。「降」は「ごう」とも読む。
てんろうせつごく【天牢雪獄】
豪雪に埋もれ、行き来も思うようにならない状態を、天の作った牢獄にたとえた語。 [補説]出典は江戸時代の「沢内風土記」。沢内は岩手県和賀郡沢内村(現、西和賀町)のこと。
にょにんきんせい【女人禁制】
特定の場所や行事に、女性の立ち入りや参加を禁止すること。▽かつては女性は汚れが多く、修行の妨げになると考えられていた。昔の高野山などが有名。これに対し、女性の参詣を許した場所に「女人~」の俗称がつくこともある(例―女人高野にょにんこうや、奈良県室生むろう寺)。「制」は「ぜい」とも読む。
はんせきほうかん【版籍奉還】
各藩主が、領地と領民を朝廷に返還した政治改革。明治二年、木戸孝允きどたかよし、大久保利通おおくぼとしみちらの画策で、薩摩さつま長州・土佐・肥前佐賀の各藩主が奉還し、他の藩もこれにならった。▽「版籍」は版図と戸籍。転じて、領地とその人民のこと。「奉還」はお返しする意。「版」は「藩」とも書く。
ふぜいけんゆう【付贅懸疣】
余計な厄介もののたとえ。ひっついているこぶや、引っかかっているいぼの意から。▽「贅」「疣」はともに、こぶ・いぼのこと。「付」は「附」、「懸」は「県」、「疣」は「肬」とも書く。